
- 2024年8月、オムニコムは、クリエイティブエージェンシーを統合し、新しい広告グループを発表した。
- 大手エージェンシー各社は、より一体化したプラットフォーム的アプローチを目指し、垂直統合を進めている。
- ただし、エージェンシーブランド固有の文化はクリエイティブの品質に直結するものであり、それらが維持されることも重要視される。
大手エージェンシーは、広告主を売り込むためにより一体感のあるアプローチをとろうとしている。
オムニコム(Omnicom)は、このシフトをより強固なものにするために組織構造を変えた最新の企業だ。オムニコムは2024年8月27日、TBWAワールドワイド(TBWA Worldwide)のCEOを務めるトロイ・ルハネン氏をトップとするクリエイティブエージェンシーの新体制、オムニコム・アドバタイジング・グループ(Omnicom Advertising Group)を発表した。オムニコム会長兼CEOのジョン・レン氏の声明によると、この動きは、世界中のクライアントに「シームレス」なクリエイティブサービスを提供するための努力だという。
水平統合から垂直統合へ
最近のオムニコムのような構造転換は、大手エージェンシーグループでは近年よく見られるようになっている。どのようにシフトするかは各グループによって異なり、電通のようにエージェンシーブランドと完全に決別し、ひとつの統一ブランドにするところもあれば、ワンダーマン(Wunderman)をVMLと合併させたWPPのように、エージェンシーを統合したところもある。
TCSインタラクティブ(TCS Interactive)のシニアマネージングパートナー、アンドリュー・エセックス氏は、次のように話す。「大手エージェンシーグループは規模を重視し、可能な限り多くの収益を集約しようとし、それは比較的程度は低いが、競合する部門を持つことにつながった。今となっては、それは過剰であり、概念化から実装まで(すべてを管理する)、プラットフォームと呼ぶエンド・ツー・エンドのサービスを提供することで、緊密に連携する方がずっといい」。
その背景にあるのは、大手エージェンシーグループにとってその規模はもちろん、自身を構成する様々なエージェンシーにまたがるチームの能力を売り込むことで、クライアントが必要とするときに、それぞれのエージェンシーにいる最高の人材が利用できることを約束するという考え方のようだ。
エセックス氏に言わせれば、これは「水平統合から垂直統合へのシフト」であり、そこでは大手エージェンシーグループはクライアントに対して、「コンセプトからCRM、デザイン、データ」まで、クライアントが望むあらゆるものを提供できるチームを擁している。それがすべて「プラットフォームとして統合されており、それぞれ異なる文化を持ち、共に仕事をするといった考え方のエージェンシーの集まりではない」と言える。
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The post 「プラットフォーム」化しつつある大手 エージェンシー 各社。目指すのは「一体感のあるピッチ」 appeared first on DIGIDAY[日本版].
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