
ジェニファー・ウィルソン氏が2006年にはじめて住宅リフォーム・生活家電チェーンのロウズ(Lowe’s)に入社したとき、Facebookの広告プラットフォームはまだ公式に開始されていなかった。インスタグラムがアプリストア(App Store)を開始するのはさらに4年後のことだ。多くの小売業者は依然としてeコマースと実店舗運用の両方を行っており、買い物顧客がスマートフォンで店舗内の在庫のショッピングを行う方法などは影も形もなかった。
「2007年にマーケティング職に就いていたときを思い返すと、2024年に見えるものとは大きく異なる」と、同氏は述べる。「このような変革と学習の時期を経験してきたことで、私はブランド自体について、そしてブランドとそのイメージを加速する方法について独自の観点を持つことができるようになった」。
ウィルソン氏は、エンタープライズブランドおよびマーケティング担当シニアバイスプレジデントとして最近務めたあと、6月にロウズのCMOに就任した。ホームセンター業者のチェーンである同社はコネクテッドTVやリテールメディアネットワークなどへの支出を来年は2桁増額することを計画しているが、ウィルソン氏はオンラインと店舗の両方でのエンドツーエンドのカスタマーエクスペリエンスに大きな重点を置く予定だ。
「ブランドについては誰もが、『駄目になるまでは良かった』と感じるような経験をしてきた。結局のところ、我々が追い求めているのは、顧客に提供できる最大の機会における優れたカスタマーエクスペリエンスだ。それによって、売上増加の機会があると確信している」。
ほかのホームセンターのブランドと同様に、ロウズも経済が下向きの時期を経験してきた。Covid-19のパンデミックにより、人々が自宅のアップグレードに投資したことで、需要は上向きになった。しかし現在、人々は高額な買い物に及び腰となってきている。ロウズの第1四半期の総売上は215億ドル(約3兆4600億円)で、前年比では4.1%減少しており、これはおそらく専門的な業者販売やオンラインでの成長により部分的に相殺された数字だ。
マーケティングの面では、ホームセンター市場での需要の低迷からビジネスを守るため、店舗内従業員の専門技術を宣伝してきた。これは昨年に、ロウズノウズ(Lowe’s Knows)キャンペーンの形で実現した。今年はさらに、ロウズのホームチーム(Home Team)キャンペーンで使用するアスリートパートナーの顔ぶれに、サッカー選手のリオネル・メッシ氏を加えた。メッシ氏がアシストを行うと、ロウズのリワードメンバーは追加ポイントを獲得し、そのポイントを買い物に使用できる。
米モダンリテールはロウズが近年マーケティングをどのように改善したのか、マーケター向けのベストプラクティスやロウズのエクスペリエンスの将来についてウィルソン氏と対談した。以下の対談内容は、明瞭化と簡略化のために編集を加えている。続きを読む
The post 「購入までのあらゆるステップで確実に顧客を手助けする」: ロウズCMOが語る、デジタルと店舗の融合戦略 appeared first on DIGIDAY[日本版].
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