
「誰もが無料でコンテンツを楽しめる環境を作り続けることが使命」ーーそう語るのは、民放公式配信サービス「TVer」を率いる、株式会社TVer 常務取締役COO・蜷川新治郎氏だ。
民放公式テレビ配信サービス「TVer」は、いまや日本のデジタル動画市場における主要プレーヤーになりつつある。電通の調べによると、ABEMAなどと合わせた昨年の「テレビメディア関連動画広告」は653億円となり、動画広告市場のなかでも存在感を増している。
TVerが目指すのは、単なる視聴機会の拡大ではない。放送局の枠を超え、ユーザー起点でコンテンツの届け方を設計し、「共通体験」というテレビの原点を突き詰めようとしている。パーソナライズや個別化が進み、個々に異なる体験が増える時代にあって、蜷川氏は、「同じものを見て、違う感覚を持つ。それを互いに認め合うことこそ多様性なのではないか」と語る。
2015年のサービス開始から10年。TVerの成長をリードしてきた蜷川氏は、テレビの新たな可能性をどう切り拓き、どう広げようとしているのか。
デジタル市場の再考を促す、Digiday Japanのインタビューシリーズ「REFRAME ―デジタルの再考―」。蜷川氏に、在京キー局をまとめた軌跡、多様化するニーズへの対応、そしてテレビ文化を未来へつなぐ展望を聞いた。
――蜷川氏がTVerを創業するまでのキャリアは?
大学卒業後、日経新聞にエンジニアとして入社したのだが、出向先のテレビ東京ブロードバンド(現・テレビ東京コミュニケーションズ)でデジタル事業に関わったことをきっかけに、テレビ業界に軸足を移した。2008年にテレビ東京へ入社し、同社のデジタル戦略を担ったのち、TVerの立ち上げに参画することになった。
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The post なぜ無料で届けるのか。10周年の TVer が向き合った、テレビという「共通体験」 TVer 蜷川新治郎氏 appeared first on DIGIDAY[日本版].
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