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アドテク/マーテクの スタートアップ たち、最優先課題は資金調達

記事のポイント

  • アドテク・マーテク分野のスタートアップは、資本コストの高騰、経済の乱高下、広告支出の減速などの複数の懸念に直面し、投資家たちは安全第一の基本方針を採用。
  • ポストコロナ回復期という状況下で、企業の売却や投資機会において、成約に至るケースが少なく、評価額も厳しい状況が続いている。
  • スタートアップは再調整に着手しており、資金調達の国際化の進展とともに、大きな市場への進出の是非について慎重に考慮している。

汝己に忠実たれ。あるアドテク/マーテクのイベントで、講演者の立つ舞台の頭上に刻まれたこのフレーズは、起業家たちが置かれた現状を考えれば、ある意味詩的ですらある。この情勢下で交渉に臨む彼らが直面するのは、ディールメーキングの見通しは厳しいという現実にほかならない。

投資会社のファーストパーティキャピタル(First Party Capital)が毎年ロンドンで開催するイベント「マドテクマネー(MadTechMoney)」は、いつものことながらタイミングが良い

このイベントのセッションで、OMACインベストメンツ(OMAC Investments)、ウィルソンソンシーニ(Wison Sonsini)、アゼリオン(Azerion)、電通などから招かれた講演者たちは、「投資家の基本方針は安全第一のようだ」という市場関係者の間ではもはや秘密とも言えない秘密について単刀直入に語った。投資家は皆、資本コストの高騰、経済の乱高下、広告支出の減速、さらにはサードパーティアドレサビリティをめぐるGoogleの方針転換が引き起こす数々の不確実性など、多くの懸念を抱えている。

アゼリオンで北米およびAPAC担当のリージョナルディレクターを務めるマシュー・ニューコム氏はこう語った。「タームシートが飛び交うばかりで、合意にろくな時間がかけられない。我々は今、この常軌を逸したポストコロナの回復期を抜け出て、そういうスタートアップに有利な市場とはまったく逆の局面を迎えている」。

今は起業家にとって厳しい時期

しかし、彼らが現実を見る目はさらに厳しい。「少しばかり冒険的な気分の投資家でさえ、公園を散歩するような気楽さは持ち合わせない」と彼らは口を揃える。投資家のバリュエーションが、買収を検討している企業の評価額と一致することはめったにない。

OMACインベストメンツのディラン・コリンズ会長は、「現在、いくつものベンチャーキャピタルと話をしているが、利益を見込めない、あるいは黒字化への道筋が見えない投資機会には、投資家は見向きもしない」と述べている。「2022年以前に会社を立ち上げた人はおそらく、来年に備える資本調達という観点からすると、構造的に不利な立場に置かれている」。

端的に言えば、投資家を探す起業家にとっていまは厳しい時期であり、出口戦略を模索する者たちにとってはさらに輪を掛けて厳しい時期ということだ。

このイベントで議論された数字を見れば、それは十分以上に明らかである。

たとえば、今年の上半期を見てみよう。キャナコードジェニュイティ(Canaccord Genuity)のアナリストによると、IT、メディア、マーケティング分野のグローバル企業に関する限り、ディール件数は前年同期比で2%増加したが、2021年の上半期に比べると23%の大幅減となっている。

言い換えれば、この分野のディール件数は増えているものの、評価額はいまも厳しい状況が続いている。会社を売りに出して、買い手候補があがっても、結局成約には至らない。今年はそんな話が相次いだ(クリテオ[Criteo]が良い例だ)。[続きを読む]

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