dairy

エピックゲームズは YouTube を超えるか? プラットフォームの再定義とその行方

記事のポイント

  • エピックゲームズはフォートナイトをメタバース基盤へ進化させようとしている。
  • その一環として、Appleとの訴訟やデータAPI公開により、経済の自由化と透明性を追求している。
  • さらに、体験を損なわないナイキなどとの連携は、ブランドとの共創として積極的に取り入れている。

フォートナイト(Fortnite)は次のYouTubeとなるのか? いや、エピックゲームズ(Epic Games)は、それ以上の存在をめざしている。

フォートナイトが人気ビデオゲームから、クリエイターやブランド、仮想世界の強固なエコシステムへと進化するなか、一部のオブザーバーはフォートナイトをYouTubeなどほかのクリエイタープラットフォームと比較しはじめている。

6月初旬にフロリダ州オーランドで開催されたカンファレンス「アンリアルフェスト(Unreal Fest)」では、クリエイターのエンゲージメント指標のビジビリティ(可視性)の拡大や、AIを活用したコーディングアシスタントの導入が発表された。エピックゲームズがクリエイター向けツールを次々と拡充するにつれ、こうした比較はさらに強まっている。

エピックゲームズの経営陣はこのような対比を歓迎しているが、CEOのティム・スウィーニー氏はその類似性に対して複雑な思いを抱いている。同氏によれば、フォートナイトがクリエイターを積極的に呼び込もうとしているのは単なる目的達成のためではなく、プラットフォームの進化における一段階にすぎないという。

スウィーニー氏は、エピックゲームズがめざすのは、クリエイターがオーディエンスを楽しませたり収益を得たりする場所をつくることではなく、真の意味での「メタバース」の構築なのだと語った。

アンリアルフェスト2025では、米DIGIDAYがスウィーニー氏と、エピックゲームズでフォートナイトエコシステムを担当するエグゼクティブバイスプレジデントのサックス・ペルソン氏にインタビューを実施。フォートナイトの進化や、クリエイターの収益化に対するアプローチ、さらにエピックとAppleとの法廷闘争が、クリエイタープラットフォームとしてのフォートナイトの未来をどのように切り開いたかについて、詳しく話を聞いた。

なお、エピックゲームズは本記者のアンリアルフェスト2025への旅費と宿泊費を負担したが、特定の取材には同意していない。本インタビューは、わかりやすく簡潔にするために編集を加えている

私自身を含む一部のオブザーバーは、クリエイタープラットフォームとしてのフォートナイトの現状と、初期のYouTubeとのあいだに類似性を見出している。この比較は妥当だと思うか?

サックス・ペルソン氏:ソーシャルな要素を持つほとんどのメディアプラットフォームは、いわば幼児期や思春期のような成長段階、つまり、成長にともなう痛みや急成長、そして停滞を経験すると思う。

だから、たしかにフォートナイトもそれに非常に似ている。我々がYouTubeとの比較を好意的に受け止めているのは、YouTubeがプラットフォーム主導ではなく、クリエイター重視の姿勢を持っているからだ。

ティム・スウィーニー氏:YouTubeの話が出たね。ただ、正直にいうと、それにはあまり共感できなかった。というのも、YouTubeでブランドを築くと、そこから抜け出せなくなってしまうからだと思う。

たとえば、YouTuberのミスター・ビースト氏は、そこからどこへ向かうのだろう? テレビ局を立ち上げるのか、映画を作るのか? 一方で、我々の技術は進化していて、フォートナイトのクリエイターコミュニティとアンリアルエンジン(Unreal Engine)のコミュニティ、両方にサービスを提供している。現在はまだ別々の存在だが、どちらも同じツールを使っている。

これから数年のうちに登場する次世代のテクノロジーを活用すれば、フォートナイト上である体験を構築し、それがヒットすればスタンドアローンのゲームとしてリリースすることも可能になる。その際にも、フォートナイトの経済圏やプレイヤーベースから離れる必要はない。

また、我々が提供するエピックオンラインサービス(Epic Online Services)のソーシャル機能を統合することもできる。そして将来的に、クロスプラットフォームでのオープンエコノミーが実現すれば、フォートナイトのアイテムショップと相互運用可能なアイテムショップを持つことができ、すべてのフォートナイト衣装に対応することも可能になるし、その逆もまた然りだ。

つまりフォートナイトは、他者のルールに縛られる場所ではない。誰でもビジネスをはじめられる場所であり、それはその人自身のビジネスになるのだ。

[▼会員登録をして続きを読む▼]

The post エピックゲームズは YouTube を超えるか? プラットフォームの再定義とその行方 appeared first on DIGIDAY[日本版].

Source: New feed

ABOUT ME
wpmaster
wpmaster
英語大好き人間のenglisheaterです。このブログではこのような英語に関する情報提供をしていきたいと思います。よろしくお願いします。