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ゲーミング広告 躍進の鍵を握るのはアテンション指標と標準化

記事のポイント

  • デロイトの調査結果などを見ると、ゲーミングはミレニアルおよびZ世代のなかでもっとも注目されるエンターテインメントとなっている。ただし、広告領域は依然として発展途上である。
  • ゲーミング広告の成功はアテンションに関連しており、これが重要なメトリックとなっている。それを受けて、アクティビジョン・ブリザード・メディアはアテンション測定ソリューションを開発している。
  • ゲーミング広告は潜在的エントリーポイントが複数あり、標準化が不足している。よって、マーケターがゲーミング広告に参入する際の足かせとなっている可能性も。

ゲーミング広告はいまだ黎明期にあり、一部のブランドは依然、この類のコンテンツへの支出増に懐疑的だ。2024年、マーケター勢をいかにして説得し、ゲーミング支出に対する自信を持たせるか。同分野の企業にとって、それが成功への鍵を握る。

コロナ禍中の世界的大ブーム後、2023年にはやや落ち着きが見えたとはいえ、ゲーミングはいまや屈指の人気を誇るエンターテインメントチャネルとして定着しており、デロイト(Deloitte)による2023年の調査によれば、おそらくはもっとも人気があるとさえ言える。にもかかわらず、ゲーミング市場および広告業界の利害関係者らは依然、ブランド勢のゲーミングに対するマーケティング支出は、その巨大な潜在的機会に見合うほど増えてはいない、と感じている。

「20年前の(ヤフー[Yahoo!]の元チーフセールスオフィサー)ウェンダ・ミラード氏の気分だ。注目度が非常に高いわりに、広告支出額が非常に低い。我々はまさにその状態にあり、実際、全支出の80%がデジタルだ」と、エンスーアジスト・ゲーミング(Enthusiast Gaming)のCEOニック・ブライエン氏は話す。「しかし、時間差は常にある、ということだ。どんなメディアにも時間差はある」。

同分野への支出増をブランド勢に促すには何が必要なのか。それを感覚として掴むべく、DIGIDAYはこのほど、ゲーミング広告界の利害関係者らに話をうかがった。以下は彼らの発言をまとめたものだ。

高い注目度の一方で、広告面としては発展途上

デロイトの調査によれば、ゲーミングはミレニアルおよびZ世代のあいだでもっとも注目度の高いエンターテイメントであり、ストリーミングTVおよび映画の人気を超えている。2023年、ニューズー(Newzoo)によれば、ゲーミング業界の収益は2.6%増の1877億ドル(約27兆8000億円)だ。音楽や印刷媒体といった歴史と伝統のあるチャネルのそれ(それぞれ262億ドル[約3兆9000億円]472億ドル[約7兆円])をはるかに凌いでいる。

ただ、そんなカルチャー界での圧倒的存在感にもかかわらず、広告支出については依然、同分野は従来型メディアの後塵を拝している。2022年の米国におけるゲーム広告支出の総計は86億ドル(約1兆2700億円)。ブランド勢のソーシャルメディアやリニアTVといったチャネルへの支出に比べれば微々たるものであり、2023年の広告支出総額6000億ドル超(約88兆8000億円)と比較すると、その割合はさらに小さい。

数字上のこの大きな差は実際、「ゲーミング分野への支出は依然、ブランドおよびマーケターが手にできる多大な機会に見合っていない」というゲーミング広告企業の主張を裏付けているように思える。

良くも悪くも、多くのブランドは依然としてゲーミングを実験的チャネルと見なしている。イノベーション予算の対象であり、マーケティング大黒柱の1本として巨額の予算を割り当てるものではない、と考えているのだ。

「広告主は良きにつけ悪しきにつけ、ゲーミングを最前線の存在と見ており、そのせいで話がかなり面倒になる。『おそらく、このアテンション的なものを理解できるまでは、ゲーミングに投資はできない。あるいは、どうしたらソーシャルエグゼキューションによるオーディエンスとの重複を排除できるか、などの諸々を理解できるまでは』といった具合だ」と、アクティビジョン・ブリザード・メディア(Activision Blizzard Media)のグローバルビジネスリサーチおよびマーケティング部門VPジョナサン・ストリングフィールド氏は話す。「つまり、それでどうなるかというと、人々はいわば立証責任のハードルを上げ続ける、どこまでも高く上げて、結局、測定が困難になってしまう」。

アテンション重視

2022年、インタラクティブ広告協議会(Interactive Advertising Bureau、以下IAB)とメディア・レーティング・カウンシル(Media Rating Council)が共同で、ゲーム内広告のビューアビリティに関する新たな基準を構築したが、一部の観測筋が期待したようなブランド活動の促進には繋がらず、ゲーミングの内外いずれの広告についても、ブランド勢がもっとも気にするメトリックはアテンションであることが、2022年を通じて明らかになった。[続きを読む]

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