
- インサイダーインテリジェンスによると、モバイルゲーム市場は約1兆500億円に成長しているが、ブランドやエージェンシーがゲーム環境に不適切または不誠実なマーケティングを行うリスクが存在する。
- ゲーマーはゲームやプラットフォームの核心価値に忠実でない広告に対して厳しい反応を示すことがあるため、ブランドはゲーム空間での真正性を保つことが重要。
- 広告主はテレビを見ない若年層にアプローチするためにゲームを活用しようとするが、ゲーム内でのブランドの統合は、ゲーマーに価値を提供し、自然に感じられる方法で行う必要がある。
もしブランドがゲームという巨大かつ広大な世界をより深く理解し統合できれば、そこには他のメディアやコンテンツでは見つけることが難しいオーディエンスが存在する。
その可能性はとてつもない。インサイダーインテリジェンス(Insider Intelligence)によると、モバイルゲームだけでも70億ドル(約1兆500億円)近くに成長している。
しかし、ゲームの世界では、ブランド(またはそのエージェンシー)が、その環境にそぐわない、あるいは不誠実と感じられる方法でメッセージをマーケティングすることに、とてつもないリスクを伴う。ゲーマーは、ゲームやプラットフォームの核となる価値観に忠実でない者に対し、大衆の怒りを爆発させることで有名だ。どんなマーケターも、ゲーマーから炎上することは望まない。その炎上の仕方は半端ではないからだ。
つまり、メディアエージェンシーは、クライアントが関与できる適切な機会を提供するために、二重の努力をしている。メディアモンクス(Media.Monks)のイノベーション担当シニアディレクター、ファンス・ジェイコブ氏と、同氏の上司であるイノベーション担当シニアバイスプレジデントのルイス・スミシンガム氏がフルタイムで携わっている仕事がこれだ。
アムステルダムを活動拠点とするジェイコブス氏は、「ゲームは、一般的なブランドにとって最も重要な場所だと私は強く信じている。そして、それは大きな影響力を持っている」と話す。
ハイテク産業の中心地であるノースカロライナ州ローリーを活動拠点とするスミシンガム氏は、ゲームビジネスについて、「他のどのエンターテインメント産業よりも規模が指数関数的に大きく、映画産業が遊びのように見えてしまう」と評する。
米DIGIDAYはスミシンガム氏とジェイコブ氏を取材し、ゲーム空間がどのように成長し、マーケティング活動を中心に進化していくかを聞いた。この対談内容は、文章量の関係と読みやすさのために編集を加えてある。
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――マーケターはゲームへの提案方法をどのように変えているか?
スミシンガム氏:ゲーム空間は真正性によって動かされ、伝統的なスペースから従来悪評を得てきたというある種の感覚に突き動かされている。そこは、人々が「ああ、彼らはそれをやっていない」とか「彼らは十分に進歩していない」と言うような空間になる。だが、それはすでに起こっている。レゴ(Lego)ゲームはすでに存在する巨大なフランチャイズだ。レゴ・スターウォーズ(Lego Star Wars)やレゴバットマン(Lego Batman)があり、大規模なレゴパートナーシップがある。
この空間で重要なのは真正性だ。そして、グローバルな広告インベントリー(在庫)の表示面積を増やすことを検討し始めると、その空間に完全に組み込まれることになる。しかし、本物であるがゆえに、そこは、下手な広告看板が出回るような空間ではない。
同時に、無料ゲームをプレイしているあいだ、私はポルシェを運転し、私のキャラクターはエアジョーダンを履いたフル装備のウータン・クランで、私のエモーションはメタリカの曲だった。これはすべて、クルマ以外は私が支払ったものだ。これらはすべてマーケティングだ。[続きを読む]
The post ゲーム の世界でブランドが余所者にならないためにどうあるべきなのか appeared first on DIGIDAY[日本版].
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