
- タイムが最高イベント責任者のポストを新設し、エグゼクティブエディターでイベント担当バイスプレジデントのダン・マクサイ氏が昇格した。
- セマフォーはイベント事業の中心にはジャーナリズムがあるとの考えで事業を進めており、一方でブルームバーグは昨年からの方針である「回数を減らして規模を大きく」を目安にイベント事業を進めている。
- パブリッシャーのなかには、イベント事業への注力が競争を激化させ、効果的な価値提供が難しくなる可能性を懸念している者もいる。
タイム(Time)は12月20日、最高イベント責任者のポストを新設した。2024年はイベントでの収益増に向けてメディア業界が熱くなっているが、まさにこれは、それを象徴するような出来事だ。
この幹部ポストに昇格したのは、タイムのエグゼクティブエディターでイベント担当バイスプレジデントだったダン・マクサイ氏だ。タイムのCEOであるジェシカ・シブリー氏によれば、同社が2023年に手がけたイベントは、米国内で前年比70%、海外で14%の売上増を記録したという。シブリー氏が具体的な数字を口にすることはなかったが、広報担当者によると、同社のイベント事業は8桁(数千万ドル)の売上を達成しているようだ。
2023年に27のイベントを開催したタイムは(22年の10から増加)、2024年は現時点で33のイベントの主催を予定している。うちひとつは、タイム・ヘルス(Time Health)関連のイベントだ。マクサイ氏率いるイベントチームも、昨年大きく成長している。年頭に5人で始まった同チームは、13人にまでメンバーを増やして2023年を終えた。各メンバーの役割は、デザインや販売、カスタマーサクセス、プログラミング、オーディエンス開発などさまざまだ。
シブリー氏によれば、イベントに対する現在の需要はコロナ禍前のレベルをも上回っているという。「タイムはこれからもイベントの可能性を追求していく。そこに需要とクライアントの求めているものがあるからだ。彼らはタイムの中心となるイベントへの参加を望んでいる」と、同氏は語る。
イベントへの投資を増やすパブリッシャー
必ずしもすべてのメディア企業がイベント専門の幹部ポストを設置しているわけではないが、この1年間、多くのパブリッシャーが自社のイベント事業に大型投資を行ってきた。2024年がイベント事業の当たり年になってくれることを願い、それに向けた準備をしていたのだ。タイムのほかには、ブルームバーグ(Bloomberg)とセマフォー(Semafor)もイベントチームを拡充し、自社の中核を担う存在としてイベント事業を確立することに意識的に取り組んできた。
そして、このイベントへの投資は、2024年もパブリッシャーの大多数に共通する関心事のようだ。パブリッシャー関係者350人を対象に行われたDIGIDAYリサーチでは、今後半年間にイベント事業の構築に少なくともいくらかは力を注ぐつもりだと、2023年第3四半期に回答した関係者の割合は80%で、2023年第1四半期の67%に比べると大きく増加している。
イベントとジャーナリズム
先日配信されたDIGIDAYポッドキャストには、セマフォーの共同創業者でCEOのジャスティン・スミス氏が出演し、2022年10月の事業開始以来、同社は40を超えるイベントを主催してきたと話した。これらのイベントは7桁(数百万ドル)の売上を達成し、同社に大きな利益をもたらしたという。
「セマフォーはジャーナリズム企業を併設するイベント企業だ」と、スミス氏は冗談半分に語る。「これがまんざら冗談でもないのは、セマフォーのイベントの中心にはジャーナリズムがあるからだ。もっとも、私がそう言っているのは、セマフォーはイベント事業に他社とはまるで違うアプローチの仕方をしているということを強調したいからだ」。[続きを読む]
The post タイムが「最高イベント責任者」を設置。2024、パブリッシャーは イベント に注力するのか? appeared first on DIGIDAY[日本版].
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