
- アップフロント市場では、女子スポーツやF1、ピックルボールなどが広告主にとって重要な投資対象となっている。
- ストリーミング事業者はスポーツによって契約者数の維持と拡大を図っており、CTVでのターゲティング広告にも注力している。
- ホライズン・スポーツ&エクスペリエンシズは、自社資産の創出とIP保有によって、ライブ体験領域での収益モデルを確立しつつある。
アップフロント市場(広告枠の事前販売)において、もっとも注目を集めたのはスポーツコンテンツであった。スポーツを保有する放送局にとっては、それが広告主の関心と予算を引き寄せる最大の武器となった。
線形テレビ(リニアTV)で広告枠を販売する側にとって、スポーツはドルを呼び込むための牽引役となる存在である。ただし、彼らはストリーミングとの競争というプレッシャーも感じている。というのも、ストリーミングプラットフォームはここ2年でスポーツ放映権を大幅に獲得し、その存在感を急速に強めているからだ。
特に注目すべきは女子スポーツである。大学女子バスケットボール、WNBA、女子サッカーの躍進により、この2年で確かな地位を築き、視聴者と広告予算の両面で着実な成長を遂げている。その一方で、ゴルフ、F1(フォーミュラ1)、テニス、サッカーといった「第二層のスポーツ」にも放映権獲得の動きが広がり、新たな価値が見いだされつつある。
「ライブ体験」から広告価値を創造する
こうした動向の渦中にありながらも、長年の業界知見をもってこの潮流に挑むのが、「ホライズン・スポーツ&エクスペリエンシズ(Horizon Sports & Experiences)」の共同代表であるデイビッド・レヴィ氏とクリス・ワイル氏である。同社はホライズン・メディア(Horizon Media)の一部門だ。
レヴィ氏はターナー社の元社長で、NBAやNCAAなどのスポーツ中継ポートフォリオを統括してきた人物であり、スポーツ市場を熟知している。ワイル氏はモメンタム・ワールドワイド(Momentum Worldwide)の元CEOで、エンターテインメント業界に精通し、同部門の「体験」領域を牽引する。
両氏は、こんにちのスポーツ市場の状況と、新興リーグやイベントにスポンサーを呼び込むための機会創出について語った。
——なぜ今年のアップフロントでスポーツが重要だったのか
レヴィ氏:今の時代、スポーツは線形テレビの命綱であると同時に、ストリーミングにとっても極めて重要な役割を果たしている。なぜなら、ストリーミング各社が新規契約者を獲得し、契約解除(チャーン)を抑制するためにスポーツコンテンツを活用しているからだ。これはストリーミングビジネス全体の大きな課題である。
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The post デジタル時代の ライブ 体験戦略 なぜ今、スポーツが広告主を動かすのか appeared first on DIGIDAY[日本版].
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