
- ディズニーやロク、ネットフリックスがDSPと提携を拡大し、テレビ広告のプログラマティック化が進展中。
- アドレサビリティやリアルタイム測定、IDターゲティングなどが導入され、広告効果の最大化をめざしている。
- 広告主の関心はアップフロントからストリーミング広告へ移行し、各社はデータ活用で差別化を図る。
テレビ広告の購買は、ますますアドテクによって駆動されるようになってきた。これは、2025年のアップフロント交渉の場でプログラマティック広告やCTV、データ主導の提案が中心となったことからも明らかだ。
この潮流は、6月16日から20日にかけて開催されたメディア業界の旗艦カンファレンス「カンヌライオンズ・クリエイティビティ・フェスティバル(Cannes Lions Festival of Creativity)」でも続き、数々の華やかな発表が業界の大きな転換点を示すものとなった。
ディズニーとAmazonの戦略的提携
6月17日、ディズニー・アドバタイジング(Disney Advertising)はアマゾン・アズ(Amazon Ads)との新たな提携を発表し、AmazonのDSPを自社のリアルタイム広告取引所「DRAX(Real-Time Ad Exchange)」に追加した。
これは、DRAXがほかのDSPとともにローンチされてから約1年後のことであり、AmazonはGoogle、トレード・デスク(The Trade Desk、以下TTD)に次ぐ3番目のDSPとして、Disney+、ESPN、Huluといったプレミアム在庫へのアクセスを持つことになる。
この提携により、広告主はディズニーのオーディエンスターゲティングツールと、Amazonのコマース、ブラウジング、ストリーミングインサイトを組み合わせることが可能になる。これは、AWSのクリーンルーム技術を基盤とするアマゾン・パブリッシャー・クラウド(Amazon Publisher Cloud)と、ディズニー・コンパス(Disney Compass)の連携によって実現している。
この統合はさらに、ディズニーのターゲティングツール「マジック・ワーズ(Magic Words)」や、今後導入予定の独自データ提供サービス「ディズニー・セレクト(Disney Select)」を活用した、キュレーション型キャンペーンパッケージにも対応する。
今回の動きは、ディズニーがアドレサビリティとデータの相互運用性を高めようとする戦略を示すものであり、より実行可能で成果重視のソリューションを広告主に提供するという同社の広範な目標と一致している。
また、この取り組みは、TTDやGoogleの「DV360」といった業界大手のDSPとの既存パートナーシップを土台として構築されている。
オムニコムによるライブスポーツ広告の進化
広告世界2位のオムニコム(Omnicom)は、同カンファレンスの場でTTDおよびディズニーとの新たな提携を発表した。この提携により、ライブスポーツイベント中のプログラマティック広告の購入が可能となる。
ディズニーの「マジック・ワーズ」やカスタムアルゴリズムを活用し、リアルタイムで注目度の高い瞬間をターゲットにした広告配信を行うことで、パーソナライズ性、アドレサビリティ、そして広告効果の向上をめざしている。
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