
D2C販売に社運を賭けると発表してから数年がたった今、ナイキ(Nike)は大きな転換期にある。
2023年12月21日にナイキは、「さらなる成長を促進し、イノベーションを加速し、規模の拡大と迅速化を達成し、長期的により大きな収益性を推進する」ため、今後3年間に最大20億ドル(約2840億円)のコストを削減すると発表した。ほかの分野に加えて商品の品揃えを簡素化し、自動化を促進して、組織の合理化を行うことを目標にしている。
このニュースは、同社が厳しい会計年度第2四半期を脱したところで発表されたものだ。ナイキの総合的な収益は前年比で1%増加したが、同時に年の残りについて売上の見通しを減らし、中国やEMEA(欧州、中東、アフリカ)での低迷などマクロの逆風の増大に言及した。同時にチャネル間にわたってAUR(平均小売単価)が増大し、メンバーのAOV(平均注文金額)も前年比で増加したと、最高財務責任者のマット・フレンド氏は決算発表で語った。「我々は、より収益性と持続性のある成長を推進するための転換点にあると考えている」と、同氏は付け加えている。
厳しい環境のなかで運用の改革を必要としているのはナイキだけではない。アディダス(Adidas)は2022年に、会社の収益性を「守るため」のコスト削減計画を発表し、フットロッカー(Foot Locker)は日本への参入を中止してイーストベイ(Eastbay)のウェブサイトを廃止するなどの変更を行った。
しかし、ナイキの転換は同社のD2C中心の戦略に関係していると、フレンド氏は12月21日に認めた。そのような活動がどれだけ効果的なのだろうか。ナイキが強力なブランドで、ビジネスをさらに自社でコントロールするという意図を考えれば、数年前ならこの戦略は筋が通っていたが、先の見えない経済と、自由裁量の支出が弱化している状況においては、ビジネスを成長させるためふたたび卸売中心に転向することを意味している。 続きを読む
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