
バイオテクノロジーはこの12カ月間において着実に美容業界の主要な関心分野となっており、成分の発見と生産におけるパラダイムシフトの可能性が開かれつつある。
美容業界のバイオテクノロジーへの注力の現状
美容分野で活躍するバイオテクノロジー企業とその提携企業らによると、バイオテクノロジーの可能性は計り知れないという。バイオテクノロジーとは工学やほかの自然科学を利用して藻類や細胞などの生物を操作する能力であり、主な機会は持続可能性と成分発見に関するものだ。だが、副次的なメリットには、成分を拡張したり、新しい製品カテゴリーを創出したり、時代遅れになったカテゴリーを排除することや、最終的には美容業界を定義するアートと科学の融合を理解するための新しい視点の提供などが挙げられる。これらの若いバイオテクノロジー企業には巨額の資金が投入されている。2023年にはサンディエゴ拠点のデビュー(Debut)社が、ビジネス・オポチュニティーズ・フォー・ロレアル・ディベロプメント(Business Opportunities for L’Oréal Development、略してBOLD)という名のロレアル(L’Oréal)のVCファンドが主導するシリーズB資金調達ラウンドで3400万ドル(約50億円)を調達、またその直後にやはりロレアル主導のシリーズBでさらに600万ドル(約8.8億円)を獲得した。一方、ボストンに拠点を置くアーセア(Arcaea)は、シャネル(Chanel)やジボダン(Givaudan)を含む戦略的・金融投資家コンソーシアムからシリーズA資金で7800万ドル(約115億円)を調達している。また買収もいくつか行われている。イルマキアージュ(Il Makiage)とスポイルドチャイルド(Spoiled Child)の親会社、オディティ(Oddity)は、4月にボストンの美容バイオテクノロジー研究所、リヴェラ(Revela)を7600万ドル(約112億円)で買収した。
「バイオテクノロジー」という用語は分野横断的であり、幅広い用途とさまざまなアプローチがある。それゆえ、美容業界では何十年にもわたり散発的に使われてきた。しかし、美容業界は歴史的に成分の発見と製造双方の主要な形式として工業化学に依存している。バイオテクノロジーが美容業界にさらに応用できるように変化したのは、成分発見と拡張性に対するさまざまなアプローチにおける技術の進歩のおかげだ。バイオテクノロジーは、石油化学製品や植物から成分を抽出する代わりに、微生物を使って成分を生産することを約束している。それにより、リソースの消費が減り、持続可能性が高まり、成分発見のペースが加速されるのである。
さらに、DNAやRNAの解析、マイクロバイオーム、生物情報科学など、生物学を中心とした原理や研究分野は徐々に美容業界に応用されたり、美容業界向けに変換されつつある。これらの研究分野における広範な進歩は、消費者製品に出現するトリクルダウン効果につながっている。
「バイオテクノロジーは完全な科学的シフトだ」と、ロレアルR&Iの先端研究責任者、アン・コロンナ氏は述べている。
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The post バイオテクノロジー が美容製品開発への新しいアプローチを加速。強化するロレアルグループ:Beauty & Wellness Briefing appeared first on DIGIDAY[日本版].
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