
- Googleのプライバシーサンドボックスを利用してCookieレスによる悪影響を軽減するため、エンドツーエンド(E2E)のテストが重要視されている。
- プライバシーサンドボックスをサポートするためのツールや機能を構築するアドテク企業にはいくつもの困難が伴っているが、既にいくつかの企業がE2Eのテストを進行している。
- 業界の準備が進んでいるポジティブな兆候が見られている。一部の人たちにとっては、「ようやく」足並みが揃ってきたという印象だ。
2024年1月にGoogleがChromeでのサードパーティCookieの段階的廃止を公式に開始し、広告主、パブリッシャー、アドテク企業はGoogleのプライバシーサンドボックスがCookie廃止による悪影響をどの程度軽減してくれるのかを把握しようと努めている。
だが、この作業は単独では進めることができない。2月第1週に開催されたインタラクティブ広告協議会(IAB)の年次リーダーシップミーティングに参加した業界企業幹部のあいだで、出稿元である広告主から配信面となるメディアまで、エンドツーエンド(E2E)ののテストの必要性が強調されていたのはこのためだ。
出席していたパブリッシャーのひとりは、「それが技術的に可能なのか、そもそもプライバシーサンドボックスは使えるものなのかについては誰もがテストをしてきたが、買い手や売り手のニーズに応じて機能するかどうかはテストされていない。新しい技術のパイプラインはあれども、そのテストはまだまったくの手つかずだ。だから、技術自体は使えるのに、市場全体では機能しないといった状況に簡単に陥ってしまう可能性がある」と話している。
テストはアドテクベンダー次第?
プライバシーサンドボックスが市場全体でどの程度機能するのかについて整理するには、プログラマティックサプライチェーンの端から端までを通じてテストする必要がある。「エコシステム全体において、適切なSSP、適切なアドテク、そして総合的なテストの実施に前向きなエージェンシーが必要だ」と、アドテク企業RTBハウス(RTB House)が所有するDSP、アドルック(Adlook)のバイスプレジデント兼米国内セールス担当ヘッドであるパトリック・ガット氏は述べる。
パブリッシャーの広告事業にサービスを提供するラプティブ(Raptive)のチーフストラテジーオフィサーであるポール・バニスター氏は、「これが、今後6カ月間、あるいはそれ以上にわたって取り組むべき課題の重要な部分を占めるだろう。現時点では、買い手と売り手を結ぶコネクションが完全に明らかになっているケースはかなり少ない」と話している。
このようなコネクションに光を当て、プライバシーサンドボックスのE2Eのテストが実現できるか。その責任はプログラマティックサプライチェーンの真ん中に位置するアドテク企業にある。
「パイプをつないでテストを可能にできるかは、アドテクベンダー次第だ。マーケターやパブリッシャーが単独で何かをするのは容易ではない。マーケターは自分のお金を供給に結びつけられる場所へ向かわねばならないし、パブリッシャーはインベントリー(在庫)をお金につなげることができる外部のアドテクを見つけなければならない」と、アドテク企業オプタブル(Optable)の共同創設者でありチーフプロダクトオフィサーであるボスコ・ミレキッチ氏は述べている。[続きを読む]
The post プライバシーサンドボックス 成立の鍵を握るのは、全関係者が足並みを揃えておこなうテスト appeared first on DIGIDAY[日本版].
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