
- リテールメディアにおいてクライアントがもっとも困難に感じていることは効果測定であり、その標準化を進めることがRMN市場の混乱を解消するかもしれない。
- IAB(インタラクティブ広告協議会)はリテールメディアネットワーク委員会を通じて標準化に取り組んでいる。
- クリテオの動きに加え、トレードデスクやピュブリシスもRMN市場に参入しており、競争が激化している。
何らかの形でリテールメディアネットワーク(RMN)に参入する企業は、毎日のように増えている。たとえば、マイクロソフト(Microsoft)が、1月に発表した同社の豊富な広告機会を利用できるRMNの米国版の提供を、9月26日から開始している。
ファーストパーティデータという宝の山の収益化を狙うゴールドラッシュで、インベントリー(在庫)の過剰供給が発生し、それを売りさばくためのさまざまな方法が生まれ、450億ドル(約6兆5000億円)を超えるRMN市場に、チャンスと同じくらい混乱がおとずれている。
この混沌とした状況に一定の秩序を確立しようと図るアドテクプラットフォームとして、クリテオ(Criteo)がある。9月第3週にDSPと一連のデータツールやソリューションの提供を開始し、同社は200以上のRMNの参加を得ていると主張する。
そのなかでも最大級のアルバートソンズメディアコレクティブ(Albertsons Media Collective)は、積極的に標準化の取り組みを進めている。同社の親会社、米大手食品小売のアルバートソンズカンパニーズ(Albertsons Companies)でリテールメディア担当SVPを務めるクリスティ・アルギラン氏にとっても、標準化は大きな重点分野だ。アルギラン氏は、もっとも優れた枠組みを示すホワイトペーパーをとりまとめている。
現在、アルギラン氏はその標準化の取り組みの一部をIAB(インタラクティブ広告協議会)のリテールメディアネットワーク委員会に引き渡しているところ、ということが9月第3週に開催されたIABのコネクテッド・コマース・サミットで発表された。
だが、ターゲット(Target)やIPGをはじめ、長年にわたってブランドとメディアに携わってきたアルギラン氏がこの取り組みから完全に離れるわけではない。RMNの世界に標準を確立するまでにどのような作業が必要になるのかについて、米DIGIDAYがアルギラン氏に話を聞いた。以下は発言内容を短くまとめ、読みやすさを考慮して編集を加えている。
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――アルバートソンズは今後、標準化のプロセスにどのように関わり続けるのか。また、IABはこの先どのように取り組みを引き継いでいくのか?
標準化すべき理由を論じたホワイトペーパーではその枠組みを示したが、その一方で標準化を支える指針を決めるという意味ではすでにIABでかなりの作業が進められていた。ホワイトペーパーは、IABが始めていることにさらに弾みを付けることが目的だった。
いったん指針が決まったら、次はロードマップ、つまりリテールメディアのどの部分について標準化が必要なのかという、具体的な作業を洗い出さなければならない。私たちは、リテールメディアの黎明期に苦慮していたクライアントから得た情報に基づいて、この枠組みを作成した。
90年代後半、2000年代初期のデジタルディスプレイ広告を覚えているだろうか。それと同じようで、今もかなり活発な動きがあり、大きな可能性があると同時にすべてのことが少しずつ違うことのできる余地もありすぎて、メディアバイヤーやマーケターとしては対応が不可能に近い状況となっている。[続きを読む]
The post リテールメディア における標準化の必要性。米大手食品小売のリテールメディア担当が語る appeared first on DIGIDAY[日本版].
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