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世界4大エージェンシーのひとつ、オムニコム・グローバルCEOによる2024年予測

記事のポイント

  • オムニコムCEOフロリアン・アダムスキー氏は、2024年の景気に対して楽観的な見方を示し、特に米国と世界の一部地域での消費者の強いレジリエンス(回復力)を強調。
  • 2024年に世界の広告費が史上初めて1兆ドルを超えると予測。クッキーの廃止とリニアTV視聴率の低下にも触れ、市場の変化に対応する必要性を説明。
  • オムニコムはGoogle、メタ、Apple、Amazonといったテック大手4社による独占に対応し、クライアントに利益をもたらすための戦略を展開していくとしている。

筆者がオムニコム・メディア・グループ(Omnicom Media Group:以下、OMG)のグローバルCEOであるフロリアン・“フロー”・アダムスキー氏にインタビューを行ったのは、1年少し前のことだった。そのインタビューのなかで同氏が口にした世界経済についての言葉は、他の多くの人々による2023年の予測よりも、楽観的なものだった。結局、正しいのは彼のほうだった。2023年前半に起こると予想された景気の後退が到来することはなかった。この見方に異議を唱える者は多くはないだろう。

そして15カ月後のいま、アダムスキー氏は再び筆者のインタビューに応じ、政治や大きなイベント、不安定な世界情勢といったことにより、2024年は例年とはまるで違う一年になるという見方が大勢を占めているなか、同氏の2024年の景気の見通しを語ってくれた。

アダムスキー氏が語る、「プラットフォームとしてのエージェンシー」になるというOMGの成長戦略とは何か。また、メタ(Meta)とGoogle、Apple、Amazonからなる「クアドロポリー(4社独占)」についての自身の考えも語ってくれた。OMGはこれら4社とパートナーとして取引する一方で、クライアントの巨額の予算をそこに投じてもいる。さらには、プログラマティック投資の世界に関する全米広告主協会(ANA)のフォローアップリポートについても触れ、同氏が、業界が不正や浪費といった問題と真摯に向き合いつつあると考える理由を語ってくれた。

なお、読みやすさと字数を考慮して、以下のやりとりには編集を加えている。

◆ ◆ ◆

──2023年を振り返ると、景気の不透明感もあるにはあるが、筆者が目にしてきた予測のほとんどでは、落ち着くところに落ち着いて、2024年については少なくとも一定の成長が見込めるだろうとなっている。あなたは、これからの世界はどうなると見ているか?

インフレは落ち着いてきている。我々全員の期待をいくらか上回るレジリエンス(回復力)が、世界にはあったようだ。その理由は、とりわけ米国と世界の一部地域で、消費者が非常に強いレジリエンスを発揮してきたからにほかならないと、私は思う。これは、経済学者の多くが予想していなかったことだ。消費者は以前と変わらない力強い足取りで生活を送り、強い思い入れのある商品、とりわけ体験に支出を続けている。

前四半期が示しているのは、インフレはすでに解消されつつあり、誰もが望んでいた方向へと向かっているということだ。事情に詳しい多くの専門家が予測しているように、FED(米連邦準備制度理事会)が少なくとも短期間で(金利引き上げを)終了すれば、金利は2024年に再び下降線をたどり始めるかもしれないとするのは、おそらく妥当だろう。

アジリティ(機敏さ)とフレキシビリティ(柔軟さ)は、エージェンシーとしてのアイデンティティに深く根差している。こうしたことに対応できるように開発された技術もそうだ。これこそが、エージェンシーが持っていなければならないものだ。確かに2023年は、史上最大の成長だったかといえば、そうではなかったかもしれない。しかし、蓋を開けてみれば、多くの人々が以前に予想していたよりも、安定した堅実な一年だった。

──こうしたことを踏まえると、あなたやあなたの顧客にとって、2024年の見通しは少しは明確になるのだろうか? それとも、理由こそ違えど、昨年と同じように不透明なのだろうか?

我々はいい加減、この現実に慣れる必要があると思う──もう何年も前からそうなっている──もはや、そんなに単純な世の中ではなくなっており、1年単位での予測は過去のものだ。2024年は、クライアントに関していえば、世界規模のイベントではなく、この業界に近いイベントに大きな影響を受ける年になると思う。そのヒントになるかもしれない数字がいくつかある。まずは「1」。1兆ドル(約144兆円)だ。一部のアナリストによれば、2024年は史上初めて世界の広告費が1兆ドルを超える年になるという。

次も「1」だ。2024年第1四半期に廃止されるCookieの割合は1%。明確な計画がすでに立てられているようなので、クライアントがそのための準備をすることが重要だ。私が目にした最近の統計では、クライアントの50%以上がまだ準備できていないと思っているという。これに本腰を入れて取り組むには、エージェンシーも必要だし、専門家も必要だ。インハウスのチームも必要だ。来年このようなことが起こることは、まず間違いないだろうから。

3つ目の数字は「50」だ。コネクテッドTVとは対照的に、2023年は米国内の視聴全体に占めるリニアTVの割合が50%を下回った史上初の年だった。この傾向は、おそらく2024年も続くと思われる。[続きを読む]

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