
2022年、メタバースプラットフォーム、Robloxは2023年末までにプログラマティックゲーム内広告を導入すると発表した。2023年も残り4カ月余りとなったいま、同社が自らに課した締め切りが迫りつつある。
同社はすでに、プーマ(Puma)やNFLといったセレクトブランドを起用し、ゲーム内ビルボードや、ユーザーをブランデッドエクスペリエンスに飛ばす「ポータルズ(Portals)」など、イマーシブ(没入型)広告のベータテスト版を実施している。
Robloxの広告ネットワークはどこまでできているのか、それを探るべく米DIGIDAYは独自に調査を行ない、Robloxのパートナープログラムに参加する8社に話を聞いた。
アイデアを実現するために何をすべきか
全体として、パートナープログラムのメンバーらは――マーケティングエージェンシーからRobloxに特化した小規模のコンテンツスタジオまで、業種は多岐にわたる――米DIGIDAYに対し、同プログラムへの参加はすでに、各々のRoblox活動に対するクライアントの関心度向上の役に立っていると(直接の証拠は示さなかったが)話した。
「おかげで、弊社はクライアントにとって信頼に値する、頼るべき、承認済のベンダーという地位を確立できた」と、同プログラムに参加するコンテンツスタジオ、ソーホース(Sawhorse)のチーフテクノロジーオフィサー、ニック・ヒル氏は話す。「私が思うに、以前の弊社はあくまで、非公式にそうした存在だった――しかしいまや、弊社は『Roblox公認』という名誉の印を手にしている」。
Robloxは実際、本腰を入れる6月まで、パートナープログラムの初期パートナーを公式発表しておらず、大半の企業は非公式な合意に基づいて参加していた――その多くはRobloxのイマーシブメディアソリューション部門トップ、アシュリー・マッコラム氏との直接交渉によるものだった。
Robloxが広告オファリングの規模を拡大していくなか、今後はそのような口頭での約束に代わり、より正式な契約過程が中心になっていくと思われる。とはいえ、マッコラム氏に対する参加企業の信頼――2023年1月のRoblox入社以前、氏はBuzzFeedのTasty(テイスティ)といったブランドの成長に寄与していた――が、当初の然るべき出資者獲得の重要因子だったのは間違いない。
「まさしく、ゼロから1に進むために取るべき戦略――つまり、意志を形にするためのものだ」と、モバイル広告業界を扱うデジタルパブリケーション、モバイル・デヴ・メモ(Mobile Dev Memo)のコンサルタント/アナリスト/エディター、エリック・スーファート氏は話す。「それしか方法はない、そうだろう? まずは、アイデアを採用してくれるところが不可欠だ。立派なブランド名/ロゴが付いていると、世に示す必要がある。そしてそれには、人と人との繋がりに頼る以外にない」。
Robloxへの直通回線
いまのところ、パートナープログラムの参加企業らが米DIGIDAYの語った最大の利点は、比較的漠然としている。たとえばそれは、関心のあるブランドの目に適正に映る、Robloxに関するクライアントの教育機会が増えた、Robloxのデベロッパーとより強力な繋がりが持てた、などであり、各社ともに成長を示す明確なメトリックスの指摘はなく、具体的な数字の提示もなかった。
「最大の利点は、弊社の場合、金銭的インセンティブではない」と、パートナープログラムに参加するスタジオ、ザ・ギャング(The Gang)のCEOマーカス・ホルストーム氏は話す。「私に言わせれば、最大の利点は、このプログラム全体を裏で支えるRobloxの人々への直通回線を、つまり直接のアクセスを得られていることだ」。
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