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怪しい伝説「 ジェネレーティブAI 」編:Z世代はAIの取り扱いに熱心で長けているのか?

記事のポイント

  • Z世代が先端技術の導入に躊躇しないのは事実だが、他の世代よりもAIスキルに秀でているわけではなく、各世代がAIを学び利用する機会を持っている。
  • Z世代はAIの仕組みを学ぶことに熱心である反面、職場や業務でどのように扱うべきかについては実務経験に乏しく、深く理解しているわけではない。倫理やガバナンスを学ぶ必要がある。
  • AIは効率を向上させる一方で、怠惰を助長するとされがちだが、実際には仕事の効果的な進行を促進するツールとなる。一部の仕事が代替される可能性はあるが、仕事の進化を促し、より価値のある作業に専念できる機会だとみなせる。

ジェネレーティブAIは目がくらむほどの速さで進化しており、その反動はすでに随所に現れている。

学校や大学の指導者はその可能性と欠点に困惑を隠せず、その多くは学生による使用を禁止もしくは規制しようと試みる。かたや経済界を見渡せば、このツールを歓迎し、独自の大規模言語モデル(LLM)の開発にいそしむ企業がある一方で、業務へのAI導入にいまだ様子見の企業もある。

ジェネレーティブAIツールにいったい何ができるのか、その試行錯誤と学習にとりわけ熱心な世代が存在する。それがZ世代だ。1997年から2012年のあいだに生まれたこのデジタルファースト世代は、キャリア形成の過程で仕事のやり方を作り替えてしまうようなツールの活用にいたって前向きだ。

しかし、この前向きな姿勢がさまざまな誤解や思い違いを生んでいる。本稿では、Z世代の勤労者、さらには学校、職場、私生活におけるジェネレーティブAIの使い方をめぐる主要な思い込みについて考察したい。

伝説1:Z世代の勤労者はAIに精通しており、トレーニングは不要

スマートフォンやインターネットなどの進歩的な技術のない時代に育ったほかの世代と比べ、Z世代の勤労者が社会を変容させるような先端技術の導入に慣れていることは間違いない。しかし、だからといってZ世代がAIの仕組みを正確に理解しているわけではない。彼らの多くは音楽や動画のパーソナライズドレコメンデーションなどを通じて予測AIツールに接してきたが、予測AIよりも新しい生成AIに関する経験は限られている。

共同作業管理プラットフォームのライク(Wrike)でバイスプレジデントを努めるアレクセイ・コロティッチ氏は、「まったく新しい時代の始まりであり、まったく新しいエコシステムだ。はじめから習熟していることなどあり得ない」と話す。「新たなスキルが必要になるが、それは生まれながらにして持っているスキルではない」。

たとえば、プロンプトエンジニアリングもそのひとつだ。ChatGPTなどのジェネレーティブAIツールから、通り一遍でない望ましい出力を得るために、最適な指示や命令を設計するスキルを指す。雇用主からの需要が右肩上がりだが、真に理解し習得するには十分な訓練と一定時間の使用経験が不可欠だ。AWSで人材開発担当のバイスプレジデントを務めるジェイ・シャンカー氏は、「AIのエキスパートになるには、高度なトレーニングが要求される」と述べている。

Z世代がAIツールを使いこなすには、高度なトレーニングだけでなく、Z世代に合わせた教え方、この世代特有の技術体験を考慮した学習方法も必要になる。「プロンプトを入力してレスポンスを出力する。ジェネレーティブAIを使うのは一見簡単に見えるかもしれないが、実は非常に洗練された複雑な技術だ」とシャンカー氏は指摘する。

プロンプトエンジニアリングに限らず、ジェネレーティブAIツールの責任ある倫理的な使用という点でも、Z世代の従業員にとってベストプラクティスを学ぶことは最優先課題である。

「このテクノロジーの限界を理解し、どこで使えば役に立ち、逆にどう使えば誤解や害悪を招くのか、それを理解する必要がある」とコロティッチ氏は述べている。

有害な出力はたいてい、不正確であったり、偏りがあったりする。不正確と偏りは今日のAIツールにつきまとう2つの重大な欠陥である。[続きを読む]

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