
いま世の中にはマーケティングの情報や知識があふれ、多種多様な手法が乱立している。しかし、誰もが簡単にアクセスできる反面、机上の空論や誤った知識に惑わされやすく、実務で活用できる知識を体系的に習得することは一層難しくなっている。
こうした混沌とした状況のなか、マーケティングのエキスパートで「顧客起点の経営」の提唱者でもある西口一希氏は、経営者やマーケターに役立つ情報や知識を体系化するため、2024年1月にWisdom Evolution Company(ウィズダムエボリューションカンパニー)を設立し、8月にはWebサイトメディア「Wisdom-Beta(ウィズダムベータ)」を立ち上げた。
「情報と知識のカオスから脱却し、マーケティングの『知恵』を獲得してほしい」と語る西口氏に、Wisdom Evolution Companyをはじめることになった背景や今後の展望について、話を聞いた。
Advertisement
業界や業種に関係なく、ビジネスは体系化できる
DIGIDAY編集部(以下、DD):Wisdom Evolution Companyを設立された経緯を、お聞かせください。
西口一希(以下、西口):これまでに累計400社以上からさまざまな事業のご相談を受けてきましたが、どのケースも「まったくどうすればいいかわからない」と途方に暮れることはありませんでした。たいていは、売上や利益の現状と顧客の状態を把握できれば、およそ着目すべきことや進むべき道筋が見えてくる。それは業界や業種に関係なく、顧客が価値を見出すプロダクトが提供できる便益と独自性と、その価値を見出す顧客の特性が見えれば、顧客であるWHOとプロダクトであるWHATの2つと、その2つを結びつける手段としてのHOWというシンプルな組み合わせでビジネスは体系化できるからです。
マーケティングの世界に入ってから、WHO-WHAT-HOWを基本としながらも、数多くのマーケティング手法や経営理論を学びましたが、なかには実際には活用できないものや必要のないセオリーも多くあります。「○○マーケティング」という種類を数えてみましたが114種ものが存在していました。実務で失敗を重ねながらも知識と経験をつなぎ合わせて自分の知恵としてきました。今は、そうした知恵を言語化、形式化する力も身についたと感じています。[続きを読む]
The post 情報のカオスから知恵の獲得へ、 西口一希 氏が描くマーケティングのナレッジシステム構想 appeared first on DIGIDAY[日本版].
Source: New feed
