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支払い遅延が常態化しつつある アドテク 業界、財務状況はより不透明に

記事のポイント

  • アドテク業界において支払い遅延が増加しており、企業は支払期日を延長し、全額支払わないケースが多い。金利上昇により資金調達コストが増大し、各社は現金管理に注力している。
  • とあるアドテク企業では直近四半期の数百件の支払いのうち遅延は半数近くに上り、金額不足も全体の約15%に達している。
  • パブリッシャーを含むアドテク業界のパートナーは、支払い遅延の影響を受けており、市場の流動性やキャッシュフローの健全性に懸念が生じている。

アドテクの世界では、支払い遅延は空虚な流行語のようになっているが、最近はさらに拡大しているようだ。さらに、支払いが期日通りに行われたとしても、全額に満たないことが多い。

現金が乏しいとき、企業がこのように出し惜しみするのは珍しいことではないが、支払期日の延長や金額不足が急増している現状を見ると、まるでパンデミックの初期に逆戻りしたかのようだ。広告幹部はここしばらくなかった絶望感を感じている。

原因は金利上昇だ──もちろん、広告の鈍化は別としてだ。資金を借りるときのコストが増えると、与信枠が高くなるため、企業は現金の管理に集中する。つまり、お金を管理する人たちは、できるだけ長く現金を手元に置いておこうとする。その期間が長くなるほど、アドテクベンダーやパブリッシャーへの支払いを行う前に、膨れ上がった借金を返済するための現金が増えるためだ。

アドテク企業カーゴ(Kargo)のCEO、ハリー・カーマン氏は、「私たちの会社の問題というより、大口の与信限度枠を引き受けたり、特別買収目的会社(SPAC)を立ち上げたりと、ある種の金融工学を行った会社と同じように考えている」と話す。「そうした会社は借金の支払期日を見て、『借金のコストを減らすにはどうすればよいのだろう?』と自問する。多くの場合、それは可能な限り長く現金を持ち続けることを意味する」。昨今の金利は数年前の3倍であり、これも高い資本コストを生み出す主な要因になっている。

半数近くがすでに支払期日を過ぎている

多くのアドテク幹部にとって、こうした懸念は単に厄介というだけでなく、まさに神経をすり減らすものだ。期日通りの支払いより支払い遅延の方が通常という状況に陥る可能性が高まっている。

実際、インボイスファクタリング企業のオーレックス(OAREX)が、直近の四半期に発生した数百件の支払いを分析したところ、半数近く(46%)がすでに支払期日を過ぎていることがわかった。これはパンデミックのピーク時の遅延率52%に迫る数字だ。支払いが支払うべき金額に満たない金額不足も同様だ。直近の四半期でのオーレックスの分析では、金額不足は支払い全体の5分の1に迫っている(15%)。率直に言えば、こうした傾向は市場のキャッシュフローの健全性にとって良い兆候ではない。

オーレックスのエグゼクティブバイスプレジデントを務めるニック・カラビア氏は、「歴史が物語るように、市場で流動性が問題になると、支払いのタイミングが真っ先に狂う」と述べている。[続きを読む]

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