
Google、メタ(Meta)、スナップ(Snap)はショート動画の分野で顕著な進歩を遂げているが、TikTokがもたらした広範な影響は今なお大きな障壁である。
たとえば2023年第2四半期の動きをみてみよう。YouTube、TikTok、メタ、スナップはすべて、ユーザーの獲得や視聴時間の増加、そして究極的には広告費の上積みを目論んで、ショート動画というフォーマットに投資した。
TikTokは非公開企業であるため四半期ごとの収益を明らかにする必要はないが、その優位性は明らかだ。実は、YouTubeショート、インスタグラムのリール、Snapchatのスポットライト(Spotlight)などのようにほかのメディアにも模倣的なショート動画機能が存在するが、これをTikTokの成功がもたらした直接的な産物ととらえるには議論の余地がある。
「TikTokはショート動画を発明したわけではないが、それを再発明したといえる」と、メディアエージェンシーのグッドアップル(Good Apple)でペイド・ソーシャル担当アソシエイトディレクターを務めるクリスティーナ・ロンゴ氏はいう。「今は、面白くて魅力的なUGCによってTikTokが極めたやりかたを、他のプラットフォームが懸命に真似しようとしている状態だ。この模倣効果がメタのリールやYouTubeのショート、Snapchatのスポットライトなどに道を開いたのだが、いずれもまだTikTokの後塵を拝している」。
米DIGIDAYでは、他のプラットフォームのショート動画と比較してTikTokがどのような位置にあるのかを確認するため、第2四半期の決算の数字を調べてみた。
ショート動画の視聴者数はどのくらいか?
TikTokのMAU数が10億人を超えていることはすでに広く報じられている。これは10億人が積極的にショート動画を視聴しようとしているということであり、Z世代のお気に入りのプラットフォームとしてTikTokが選ばれているということだ。
Googleの持ち株会社アルファベット(Alphabet)のCEOであるサンダー・ピチャイ氏は、同社の第2四半期決算説明会で、毎月20億人以上のログインユーザーがYouTubeショートを視聴しており、前年の15億人から増加していると述べた。つまりYouTubeはなんとかTikTokを超えることができたのだ。
同様に、メタのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、同社のFacebookとインスタグラムにおけるリールフォーマットの動画再生回数が1日あたり2000億回を超えたと話している。だが、この2000億回の再生回数がどれだけのユーザー数によるものかは明らかになっていない。
これらに続くのがSnapchatで、CEOのエヴァン・シュピーゲル氏によると、スポットライト機能を視聴したMAU数は、前年比で51%の増加ではあるが、4億人を上回ったという。
では視聴時間はどうか?
Snapchatではスポットライトの利用時間が前年同期比で3倍に伸びたと、 シュピーゲル氏は述べているが、2022年第2四半期時点ではスポットライトはまだ比較的新しい機能であり、当時は収益化のテストを開始したばかりだったことを考えれば、もっともな数字だろう。だがはっきりしないのは、実際の視聴時間がどのくらいだったかだ。
YouTubeとメタがショートやリールといった機能の視聴時間についてはっきりとは示していない一方、TikTokは最近のピッチデック(プレゼン資料)の中で、アプリ全体としての視聴時間の長さを強調している。
アプリの分析とデータを提供するData.aiから入手したデータによれば、TikTokの1日の視聴時間数は118分で、YouTubeの75分、Facebookの52分、インスタグラムの31分、Snapchatの22分を上回ってトップとなっている。
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