
- 米国の主要なTVネットワークオーナー各社の第3四半期、総じて広告売上が前年比で減少。従来型TVの広告売上は特に低迷しており、ストリーミングの成長がそれを十分に補えていない。
- 広告付きストリーミングサービスの雄であるHuluは広告売上の低下により、中心的な利用登録者基盤のユーザー1人あたりの売上が減少しており、有料TVのユーザー1人あたりの売上も減少した。
- TV業界の広告売上の未来予測は慎重な見方を示しており、特に従来型TVの広告ビジネスにおいては暗い見通しで、2024年もそれ相応の複雑な問題が示唆されている。
米TVネットワークオーナー各社の第3四半期決算報告は、総じて残念な結果に終わった。全体的に、その広告売上は前年比で減少している。反対に、ストリーミングの広告売上は増加しているものの、従来型TVのそれを埋め合わせるには十分ではない。
ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(Warner Bros. Discovery)の最高財務責任者であるガンナー・ウィーデンフェルス氏は、11月上旬に行われた同社の決算報告で、こう語った。「ストリーミングの広告は安定を維持しているが、リニアに関しては、今年後半の広告市場は全体的に残念な状態が続いている」。
本記事では、TV/ストリーミング大手各社の2023年第3四半期の広告売上に見られるトレンドを簡単に分析してみたい。なお、ディズニー(Disney)は自社の広告売上を公表していないため、以下のリストから除外した。とはいえ、ディズニーの最新四半期決算報告には、同社の広告ビジネスの現状を物語る材料が豊富に含まれているため、別途掘り下げる。また、Netflixも自社の広告売上を公表していないため、リストから除外。同社によれば、「2023年現在、弊社のビジネスに広告売上は重要ではない」という(Netflixに関しては、この一言で十分だろう)。
- AMCネットワークス(AMC Networks):18%減
- フォックス(Fox):1.6%減
- フーボー(Fubo):34%増
- NBCユニバーサル(NBCUniversal):8.4%減
- パラマウント(Paramount):8.7%減
- Roku(主に広告売上から成るプラットフォーム売上):18%増
- テレビサユニビジョン(TelevisaUnivision):1%減
- ワーナー・ブラザース・ディスカバリー:9.9%減
上記でおわかりのように、前年比で広告売上の増加を報告したのはフーボーとRokuだけだ。偶然にも、このリストのなかでストリーミングオンリーの企業は、この2社だけとなる。その結果はまさに明暗を分けているが、その差がいっそう明確になるのは、パラマウントとワーナー・ブラザース・ディスカバリーの広告売上に目を向けたときだ。[続きを読む]
The post 米TVネットワーク各社、 ストリーミング 事業は好調も、従来型TVは絶望的 appeared first on DIGIDAY[日本版].
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