
たまたまサイトを訪れた通りすがりのオーディエンスに比べ、ログイン認証をおこなう登録ユーザーの価値がいかに高いかを、パブリッシャーは実感している。
だが登録ユーザーはトラフィック全体のなかで少数派であり、パブリッシャーとしてはサイト訪問者のメールアドレス登録をなんとか増やしたいところだ。メールアドレスを登録してもらえれば、それをトレードデスク(The Trade Desk、以下TTD)のUnified ID 2.0(UID 2.0)やLiveRamp(ライブランプ)のRampIDなど、サードパーティCookieに代わる決定論的IDに付加することができるからだ。
ユーザー登録の拡大はしたいが「見返り」は?
ソリティアのサイトを2つ持つカジュアルゲーム会社、アンワインドメディア(Unwind Media)で運用型広告の収益と戦略を担当するシニアバイスプレジデントのエムリー・ダウニングホール氏によると、同社の登録ユーザーは未登録ユーザーに比べて運用型広告の収益が42%多く、AppleのSafariのようなCookieのない環境では、そのリ効果は90%に上る。
とはいうものの、登録ユーザーは4月時点でアンワインドメディアのトラフィック全体の24%を占めるにすぎない。1月の19%からはそこそこの伸びを見せているが、同社の共同創設者でプロダクト責任者を務めるダルシャン・ソマシェカール氏は2024年末までに30%、2025年末には40%まで伸ばしたいと話す。
同様に、ガネット(Gannett)、スノープス(Snopes)、TVトロープス(TVTropes)などの他のパブリッシャーも、この高価値ながら獲得困難な登録ユーザーの拡大を図っているが、十分な見返りを提供しないままログインを強要するなど、あまりに押しの強いやり方は逆に裏目に出てしまいかねない。
ガネットの広告イノベーション担当バイスプレジデントのジェフ・バーケット氏は、パブリッシャーが「本当に慎重にならなければならない。あまりに強くログインを求めると、そっぽを向かれてしまうことが多くなる」と語る。現在ガネット傘下のサイトでログイン認証を経る登録ユーザーの割合は約20%だ。これは、USAトゥデイ・ネットワーク(USA Today Network)の1億3500万人を超える月間ユニークビジター数でいえば約2700万人に相当する。
スノープスとTVトロープスの最高収益責任者(CRO)を兼任するジャスティン・ウォール氏は今年2024年、登録ユーザーを10%にすることを目指していると話す。「15%にしたいと発言したこともあると思うが、現実的に考えるとこれくらいかと。今以上に攻勢をかけるように迫られているわけでもない」そうだ。[続きを読む]
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