
- イベント数を増やすか、減らすかといった焦点が収益アップの鍵を握っており、たとえば、アクシオスはイベント数を増やして販売用インベントリーを生み出し、一方でブルームバーグは数を減らし統合することで、多様な出席者を呼び込んだ。
- イベント後のキャンペーンにおいて、音声や動画のデジタルアセットを活用するというアプローチも。これにより、イベント後の広告キャンペーンでほかの製品を取り上げることも可能にしている。
- 成功したパブリッシャーは、イベント事業において一様に有効な包括的な戦略ではなく、独自の「イベント定石戦略集」を採用している。
2023年開始時点では多くのパブリッシャーにとって、イベントスポンサーシップ収益(つまり、イベント関連全体の広告収益)がこの1年でよい結果を出せるのか予測するのは難しかった。
なかにはアパートメント・セラピー(Apartment Therapy)やフォーブス(Forbes)のように、営業期間を引き伸ばし、広告主に高額イベントスポンサーシップの資金繰りで時間的余裕を与えるために、フランチャイズの冠イベントの予定をできる限り後ろ倒しするパブリッシャーも見られた。
しかしながら2023年も最終四半期に入り、特にビジネス/プロ向け部門のパブリッシャーは、どうやら今年は最終的に充実した1年だと捉えているようだ。
B2B向けイベントは結果が出た
たとえば、アクシオス(Axios)を見てみよう。2023年年頭に、年末までのイベントスポンサーシップ収益目標額を1000万ドル(約14億5000万円)と掲げていたが、同社のクライアントスポンサーシップおよびサブスクリプション担当シニアバイスプレジデントのジャクリン・L・キャメロン氏によると、その目標額を第3四半期で超えただけでなく、第4四半期末には、年間イベント収益が前年比60%増と予測しているという。同氏は、現時点で、年末までにどのくらいのイベント収益を見込んでいるのかは明らかにしなかった。
イベントプロジェクトチームのブルームバーグ・ライブ・エクスペリエンス(Bloomberg Live Experiences)担当グローバル責任者であるジェシカ・ウェバー氏によると、ブルームバーグ・メディア(Bloomberg Media)も、イベント収益が前年比48%増を見せているという。しかも、予定されているイベントの数だけで比較すると、2022年よりも2023年の方が少ないのにだ。なお、同氏はイベント事業の収益に関する具体的な数字を明らかにしなかった。
また、10月18日に創業1周年を迎えるセマフォー(Semafor)は、ローンチ以来40ものイベントを開催し、イベント事業は「想定以上の勢い」だとチーフレベニューオフィサーのレイチェル・オッペンハイム氏は話した。同氏は、これまでのこの事業の収益を具体的に明らかにしなかったものの、同社の総収益の半分はイベント事業が占めている。
なお、ニューヨーク・タイムズ紙(The New York Times)の記事によると、セマフォー社の収益合計金額は8桁レベル(約14億5000万円以上)で、はじめて8桁の収益を記録したのは2023年5月だという。さらに、創業時の顧客総数が倍増したのは、イベント事業のおかげだとオッペンハイム氏は説明したが、正確な数字は明らかにしなかった。
とはいえ、パブリッシャーのイベント事業が必ずしもこうした健全な高揚感を得ているわけではない。アパートメント・セラピーのフランチャイズイベント「Small/Cool(スモール/クール)」のような消費者向けイベント事業の収益は、予定を先送りしても前年の実績と変わらなかった。
それではなぜ、2023年の広告予算には問題があるにもかかわらず、専門家・B2B向けパブリッシャーのイベントは結果が出ているのだろうか。どうやら、業績のよいパブリッシャーのあいだで使われた戦略は、何にでも効果のある包括的な戦略ではないようだ。ただ、パブリッシャー向けのいわゆる「イベント定石戦略集」を採用するのが、成功につながる共通した作戦らしい。[続きを読む]
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