
- 多くの企業がセール期間をブラックフライデーだけに絞らず長期化させている。一方で、消費者は早い時期から比較購買を始め、値下げを期待してセール期間中に購買を決定する傾向がある。
- 新しい形のSNSコンテンツや音声コンテンツは、Z世代のオーディエンスにアピールしやすく、ギフト探しにソーシャルメディアを使う買い物客は3分の2を超える。
- 経済の不透明感やインフレの影響からくる広告主の慎重な姿勢が見られ、来年の第1四半期に向けての慎重な態度が取られている。
今年のホリデー商戦のトレンドは、セール期間の前倒しとZ世代消費者への訴求力が期待される音声メディアの活用だ。さらに、価格競争が激化するなか、AIと効果測定が果たす役割はひときわ大きくなるだろう。
コムスコア(Comscore)のプログラマティックターゲティング部門であるプロキシミック(Proximic)の調べによると、今年のホリデー商戦の勢いは、例年12月に迎えるピーク時を上回り、これに関連する支出の50%が11月に集中すると見込まれた。また、モバイルショッピングやソーシャルメディアコマースの成長、Amazonプライムデーなどのイベントも、年末の買い物に拍車をかけるだろう。
コマース特化のエージェンシーであるザ・マーズエージェンシー(The Mars Agency)でAmazonマーケティングクラウドのメディアインサイトとアナリティクスを統括するジャック・リンドバーグ氏は、「ブラックフライデーが1日に限定される時代は終わった」と話す。
一方、メディアカルチャー(Media Culture)でアカウントサービス担当の上席役員を務めるクリス・スタイナー氏は、「eコマース企業のクライアントを見る限り、今年、オンラインショッピングは安定的に推移している」と話しながらも、反面、インフレが続いているためにブランドの広告支出は例年のホリデーシーズンと比べると「控えめ」であると警告する。
ホリデーショッピング期間の長期化
Amazonからターゲット(Target)まで、大手の小売企業はブラックフライデーのセール期間をこぞって前倒し、早いところでは11月半ばにスタートさせた。リンドバーグ氏によると、サイバーマンデーのセール継続に加え、多くのブランドが「売上の勢いを維持」するために、四半期後半まで特売を延長しているという。
リンドバーグ氏はさらに、「変容するシナリオのただなかで、経済の先行き不透明感は、それが感覚的なものであれ現実のものであれ、消費者を割引志向に走らせ、価格の影響を受けやすくしている」とも述べている。
PMGでストラテジーおよびインサイト担当のマネジングディレクターを務めるアンジェラ・セイツ氏は、広告環境の競争激化を背景に、ブラックフライデーのセール開始を「大幅に早める」傾向が認められると指摘する。また、PMGの調査でも、消費者の「比較購買」はホリデーシーズンの早い時期から始まるが、さらなる値下げを期待してぎりぎりまで粘る傾向が見られるという。
「経済とインフレの圧力が消費者支出に影響を与えている」とセイツ氏は話す。「10月の早い時期にセールを開始したクライアントや、長い週末に向けて特別なプロモーションを企画したクライアントは、盛大な宣伝活動を維持しながらも、このアプローチから確かな手応えを得ているようだ」。
クリテオ(Criteo)が行ったホリデーシーズンの買物動向調査によると、新規顧客による購入は11月に増加しはじめ、12月いっぱい高い水準を維持し、「オンラインでセール商品を物色する時間が増えた」と回答した人は4分の3にのぼったという。[続きを読む]
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