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2024年、 データプライバシー とAI規制法案はどう進むのか? :米国各州の対応状況

記事のポイント

  • 米国内では各州で新たなプライバシー保護法が施行されているが内容には差異があり、企業は複数の州法に対応する必要があるといった難しい課題を抱えている。
  • EUはAI規制法案に大筋合意し、AIの開発と利用に関する包括的な規則を定める方針だが。これが広告分野に与える影響も考えられる。一方、新法や法廷闘争がAIモデルのトレーニング用データの取り扱いなどに影響を与え、個人データの利用方法が変更される可能性もある。
  • プライバシー保護規則はほかの法律分野、たとえば競争政策、AIガバナンス、貿易政策、言論の自由、国家安全保障、市民の安全と交錯する可能性があり、2024年はその対立が高まる可能性がある。

2024年に入り、AIの規制に向けて政策立案者と企業の議論が続いているが、データプライバシー規制に関しても今後、大きな動きがありそうだ。

今年は、関連法の動向を追う人々にとって忙しい1年になるだろう。米国内外および各州のデータプライバシー保護法と関連法案の審議に加えて、AI利用のルールや反トラスト慣行に関わる問題の行方にも目を配る必要があるからだ。

プライバシー保護をめぐる議論と同時進行で、ChromeブラウザにおけるサードパーティCookieサポートの段階的廃止計画が進められている。Googleは2024年下期の廃止目標に向けて、1月4日から、一部のChromeユーザーを対象にサードパーティCookieを無効化してサイト越えトラッキングを制限する、新たなトラッキング保護機能のテストを開始した

一方、「競争」と「個人情報保護」の対立が顕在化している。エピックゲームズ(Epic Games)がAppleとGoogleそれぞれを相手取って起こした反トラスト訴訟がその好例だ。エピックゲームズは、AppleとGoogleの各アプリストアにおける販売・決済の慣行が反競争的行為にあたると申し立てたが、それに対し両社とも、自社アプリストアの運営方針は消費者データのプライバシーとセキュリティの強化に資するものだと主張している。

次々と施行される各地のプライバシー保護法への対応は難しい

米国では複数の州で新たなプライバシー保護法が施行されたが、内容は州により少しずつ異なるため、法令解釈と遵守の課題が生まれている。ギブソン・ダン法律事務所(Gibson Dunn)所属のジェーン・ホーヴァス弁護士によれば、EUが2018年に一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)を施行した理由のひとつは、既存のプライバシー保護規則の解釈に関し各加盟国でばらつきが出ないよう、一貫性を担保するためだったという。

前職でAppleの最高プライバシー責任者を務めたホーヴァス氏は、「大半の企業は法規制を国別にとらえており、州法をあまり意識していない」と指摘する。「グローバルに事業を展開する企業は、世界各地域のさまざまなプライバシー法の遵守という難題に対処するため、普遍的に適用できる共通基準を見いだす必要がある。自由なデータ流通を推進する米国の場合、事情はさらに複雑になる」。

企業にとって、次々と施行される各地のプライバシー保護法への対応は難しい。ウォンブル・ボンド・ディキンソン法律事務所(Womble Bond Dickinson)が2023年4月から5月にかけて米英の企業幹部を対象に実施した調査では、米国のプライバシー法を遵守するための「準備がしっかりできている」と回答した幹部は2022年の59%より減って45%にとどまった。

米国内企業では、各州のプライバシー法の枠組み比較を終えたと答えた幹部は全体の42%にすぎず、60%が各州のプライバシー法案の動向の把握や相違点の理解が難しいと答えた。ヨーロッパ大陸と英国で事業を展開する企業からの回答では、EUと英国のプライバシー法を遵守する「準備がしっかりできている」が53%、「準備がまあまあできている」が35%だった。

以下、データプライバシー、AI、反トラスト法をめぐる米国内外と州レベルの課題に関し、2024年の予想をまとめた。[続きを読む]

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