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2024年、 メディア は収益源の多様化と拡大をどう実現するのか?

記事のポイント

  • LinkedIn、Pinterest、OpenAIなどがパブリッシャーとの協力を通じて新しい収益機会を創出しており、2024年にもプラットフォームパートナーシップの拡大が見込まれる。
  • パブリッシャーはコマースにおいても成果を上げており、特に記事やレビューを通じたeコマースが注目されている一方、選挙シーズンに向けてサブスクリプションビジネスが盛り上がることも期待している。
  • 大手プラットフォームからのトラフィックの減少を受け、一部のパブリッシャーは自社でコントロール可能なチャネルに注力しようとしている。

メディア企業の幹部は、2024年の広告収益がどのようなルートでもたらされるのかまったく見通せないことをよくわかっている。そのため、2024年を増収の年にしたいと願うパブリッシャーにとって、サブスクリプションやコマース、これまでにないプラットフォームとの提携など、あらゆる代替収益源が極めて重要になる、というのが新年の戦略について米DIGIDAYに語った7人のメディア幹部の見解だ。

また、パブリッシャーは今年も広告が収益の大部分を占めることを期待する一方で、広告が確実な収入源ではなくなったことに気づいている(もっとも、今まではそうだったのかという疑問もあるが)。パブリッシャーの多くは、広告の損失を補おうとイベント事業に力を入れているようだが、各国での選挙やパリ五輪など、世界各地でビッグイベントが目白押しの1年を迎えるなかで、これまでと異なる成長への道筋が描かれつつある。

そこで、2024年に収益源の多様化と拡大を実現するための計画について、パブリッシャーのコメントを紹介しよう。

プラットフォームパートナーシップの第2波が到来

Facebook、X、Snapchat(スナップチャット)、Googleといった巨大ハイテク企業がニュースから撤退したり、パブリッシャーよりコンテンツクリエイターを優遇し始めたりした影響で、コンテンツ取引から資金が引き揚げられた。その結果、これまでと異なるプラットフォームの一群が、新たな収益源の確保に躍起になっているメディア企業と提携する機会を見いだしている。

LinkedIn(リンクトイン)やピンタレスト(Pinterest)、それにオープンAI(OpenAI)は、2023年にパブリッシャーと組んで新しいコンテンツ契約プログラムを開始した企業の一例に過ぎない。しかも、3人のメディア幹部が語ったところによると、こうした契約は2024年にも大きな機会をもたらすという。

2023年夏、ピンタレストは自社のプラットフォーム上でより多くの動画を公開したパブリッシャーに報酬を支払う「レッド・スタンダード・プログラム(Red Standard Program)」を開始した。同年の10月時点で、34のメディア企業がこのプログラムに参加し、一部のパブリッシャーは、ピンタレストが自社に代わってブランデッドコンテンツやプラットフォームキャンペーンを販売することを認めている。当初は、一部のパブリッシャーのみがこのプログラムに招待されていたが、ピンタレストはこのプログラムをグローバルに拡大する意向のようだ。ただし、同社で戦略的パートナー責任者を務めるジェレミー・ジャンコウスキー氏は、具体的なスケジュールを明らかにしていない。

2023年12月には、AIテクノロジー企業のオープンAIがパブリッシャーのアクセル・シュプリンガー(Axel Springer)と契約を結んだ。その内容は、オープンAIがアクセル・シュプリンガーに対価を支払って、Business Insider(ビジネス・インサイダー)やポリティコ(Politico)などアクセル・シュプリンガーが所有するメディアポートフォリオのコンテンツを利用し、ChatGPTで回答を生成したりAIツールを訓練したりするというものだ。

このほか、ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal:以下、WSJ)でグローバルCROを務めるジョシュ・スティンチコム氏によれば、WSJの親会社であるダウ・ジョーンズ(Dow Jones)は、LinkedInの新しい動画拡充パートナーシッププログラムに参加している「ごく一握り」のパブリッシャーのひとつだという。WSJは今年1月から、LinkedIn向けに多数のオリジナル動画を制作し、LinkedInのオーディエンスターゲティング機能を使いながら、コンテンツを活用したブランドスポンサーシップやプレロール広告を販売する予定だ。スティンチコム氏のチームはベータサービスの段階からインベントリー(在庫)の販売を担当しているが、オーディエンスデータに関しては両社が共同で取り組んでいる。ただし、このパートナーシップの収益配分に関する契約やデータ共有の詳細について、同氏は明らかにしていない。

また、タイム(Time)の最高経営責任者(CEO)であるジェシカ・シブリー氏によると、同社は2023年に複数のベンダーと結んだ新たな契約を今年も継続する予定だという。2023年5月には、コンテンツレコメンド企業のタブーラ(Taboola)と提携して、おすすめ商品やコマースブランドのレビューを紹介する「タイム・スタンプト(TIME Stamped)」をスタートさせた。同年9月には統計データプラットフォームのスタティスタ(Statista)と提携して、データに基づくランキングを紹介するサイトを初めて立ち上げ、「世界で最も優れた企業」や「将来のリーダーに最適な大学」といったランキング記事を配信している。

シブリー氏によれば、「いくつかの新たな戦略的パートナーシップによって、20%近い収益の増加が見られた」という。ただし、両社とのパートナーシップの具体的な条件や正確な収益額を同氏は明らかにしていない。

そして最後に、インデペンデント(The Independent)でグローバルCOO兼北米担当プレジデントを務めるザック・レナード氏は、「米国でインデペンデントの.comドメインが定着すれば、英国のギャンプリング・ドット・コム(Gambling.com)との提携によるスポーツベッティング関連の取り組みを2024年に米国に拡大する予定だ」と述べ、この計画に大いに期待していると語った。

大きな成果を上げそうなコマース

2023年には、コマースビジネスの成功をパブリッシャーが誇らしげに語ることはなかった。だが、2024年にも好調が続くことを期待させる出来事はいくつかあった(もちろん、今でもだ)。[続きを読む]

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