
- ことし、Amazonプライムビデオが広告付きプランを導入することで、広告付きストリーミング戦争が始まろうとしており、プライムビデオはディズニーのHuluと肩を並べ、ストリーミング広告市場のトップに立つことが見込まれる。
- ストリーミング広告市場は多層化し、大手ストリーミング事業者、コネクテッドTVプラットフォーム、およびミッドテールからロングテールまでのストリーミングサービスが存在する。
- 競争から生まれるイノベーションに期待が寄せられており、とくにターゲティング機能の向上が望まれているが、一方で透明性が不足しており、特に共視聴の測定やフリークエンシー管理において一貫性がないと指摘されている。
ディズニー・プラス(Disney+)の登場により、サブスクリプションでのストリーミング戦争が火ぶたを切って4年、2024年はAmazonプライムビデオの広告付きプランが導入されることで、今度は広告付きストリーミング戦争が勃発しようとしている。また、広告バイヤーはことし、広告予算の激しい変動が予想されるなか、セルサイドの競争の激化が製品開発と低価格化につながることを期待している。
ピュブリシス・メディア(Publicis Media)で米国の最高投資責任者を務めるシェルビー・サビル氏は、「ストリーミング戦争になるだろう。なぜなら資金が流入して競争が激化しており、それは非常に厳しい状況になるからだ。そして、その戦いは(今年)始まると思う」と述べている。あるエージェンシー幹部は、「大規模なプレーヤーが複数いる最初の年になる」と語る。「Huluはしばらく前から大規模化を実現している。おそらく、これまでは唯一の大規模なプレーヤーだった」。
プライムビデオのストリーミング広告市場参入は、ライバルにとって脅威だ。Amazonのプライム会員は自動的に広告付きプランにオプトインされるため、Amazonは月間1億1500万人のオーディエンスを見込むことができる。その結果、プライムビデオはディズニー(Disney)のHuluと肩を並べることになる。Huluは、広告付きプランの視聴者が1億1500万人を超えたと主張しており、ストリーミング広告市場のトップに君臨している。
話してくれた2人目の広告エージェンシー幹部は、「彼らは即座に食物連鎖の頂点に立つだろう。規模が大きく、範囲が広いだけでなく、データを組み合わせて提供できるためだ」と述べている。
UMワールドワイド(UM Worldwide)で米国の最高マーケットプレイス責任者を務めるステイシー・スチュワート氏は、「プライムビデオに期待している」と語り、「どのような形であれ、市場が多様化するのは良いことだ」と話す。UMワールドワイドの親会社であるIPGメディアブランズ(IPG Mediabrands)は、Amazonとプライムビデオへの広告掲載に関する3年契約を結んでいる。
広告付きストリーミング戦争の食物連鎖
そして、ストリーミング広告のヒエラルキーは多層化している。
これまで、ストリーミング広告のインベントリーソースは大きく分けて3つの層があった。ひとつめはHulu、NBCUniversal(NBCユニバーサル)のピーコック(Peacock)、そして最近ではNetflixなど、プレミアム広告付きの大手ストリーミング事業者。2つめはロク(Roku)やサムスン(Samsung)のようなコネクテッドTVプラットフォームとパラマウント(Paramount)のプルートTV(Pluto TV)、フォックス(Fox)のトゥビ(Tubi)のような無料の広告付きストリーミングTVサービス。そして3つめが、ストリーミングサービスのミッドテールからロングテールだ。[続きを読む]
The post 2024年に勃発する「広告付きストリーミング戦争」、勝敗の行方は Vol.1 appeared first on DIGIDAY[日本版].
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