- D2Cの成功モデルは再現性を失い、各ブランドが独自戦略を模索する時代に突入している。
- TikTokは無視できない販売チャネルとなり、ブランドのストーリーテリングの場として活用が進んでいる・
- 実店舗はブランドの顔であり、体験・物流・広告の機能を持つ多目的な場として再評価されている。
パンデミック後の混乱や政権交代に伴う政策の揺れが、米国の小売業界に新たな不確実性をもたらしている。一方で、テクノロジーと消費者意識の変化に後押しされるかたちで、D2Cモデルの再構築、TikTokを起点とした販路の開拓、そして実店舗の再評価といった動きが加速している。
こうした変化は、日本市場とはまた異なる条件とスピードで進行している。日本市場の特性を考える上でも、米国の現状に触れることが重要だと捉え、3月14日に開催されたDIGIDAY COMMERCE FORUMでは、DigidayのバーティカルメディアであるModern Retailの編集長、ジル・マノフが特別映像で登壇した。
長年ファッションとリテールの最前線を取材してきた同氏が、D2Cの現在地、パンデミック後の業界構造、TikTokの影響、データ活用、実店舗の再定義といったテーマから、米国小売のいまを切り出し、日本市場を考えるうえでのひとつの起点を提供した。
以下、その主な論点を紹介する。
D2Cモデルはもはや万能ではなくなった
マノフはまず、かつてのD2Cモデルが通用しなくなっているという現実を指摘する。資金調達から広告投資、そして売上成長へ、という方程式は、もはや再現性を失いつつある。「売上は伸びたものの、収益性は犠牲になっていた。品質やコミュニティといった、いまでは成功の鍵とされる要素は、当時は後回しにされていた」と語った。現在は、各ブランドが独自の組み合わせで戦略を構築する時代。先進ブランドのマーケティングや、スタートアップの流通施策などからヒントを得ながら、それぞれの最適解を模索している。続きを読む
The post 2025年の米小売業界に何が起きているのか。Modern Retail編集長ジル・マノフが捉えた5つの視点【DIGIDAY COMMERCE FORUM 2025】 appeared first on DIGIDAY［日本版］.
Source: New feed
