
- DIGIDAY Programmatic Marketing Summitにて、Googleが示す無効トラフィックの数が、DSPの報告より多いとの不満がエージェンシー幹部から示された。
- 無効インプレッションが20〜40%、無効クリックが90%に達する事例が報告され、Googleが都合の良い方法で操作しているのではないかとの推測がなされた。
- Google側は、アド・トラフィック・クォリティチームがあらゆる無効トラフィックを防ぐために働いており、無効トラフィックに関する返金や警告が行われると回答。パブリッシャーはこの問題を大きく感じていないとする意見もあった。
2023年12月4日から6日にかけて、DIGIDAY Programmatic Marketing Summitが開催されたが、2人のエージェンシー幹部が意見交換の場で不満をぶちまけていた。
Googleが無効にしているデマインドサイドプラットフォーム(DSP)のインプレッションとクリック数が、DSP側の報告よりもかなり多いというのだ。しかしながら、座談会の外を見ると、ほかのエージェンシー幹部やパブリッシャーは無効トラフィック(IVT)を経験していないようだ。
Googleは自社にとって都合のよい方法でやっている?
座談会では、エージェンシー幹部A氏が「当社の広告サーバーの場合、インプレッションの20%、30%、40%が無効で戻ってくる。クリックは無効が90%にもなる」と話した(なお、今回の意見交換はチャタムハウスルール(会議の内容は、発言者の素性を伏せたうえで、引用・公開可能)に基づいているため、話者の匿名性は確保されている)。「その理由はいくつか考えられる。これはたいてい、別の経由メディアのトラフィックを有効にするために、Googleがある時点で該当メディアに接触した場合に生じる。でも実はその経由メディアには一切接触していないので、トラフィックは無効と判断されるのだ」。
座談会の後、ある参加者は、この問題を抱えたDSPとしてアデルフィック(Adelphic)を挙げた。この件に関してアデルフィックにコメントを求めたが、回答はなかった。ほかのDSPでも同じことが生じているのかと尋ねたところ、ネクセン(Nexxen)の広報担当者は、認識していないと回答、トレードデスク(The Trade Desk)とYahooからは記事掲載までに回答を得られなかった。
意見交換に参加した別のエージェンシー幹部B氏も、自分たちにも同じことが生じていると述べた。ただしB氏が指摘するには、これは主にクリックスルー率(CTR)の問題で、インプレッションではそれほど見られないという。「当社の場合、DSPのCTRは通常よいのだが、Googleキャンペーンマネージャー(Campaign Manager)の報告を見ると、クリックスルー率がとんでもなく悪い数字になっている」と話した。
冒頭のエージェンシー幹部A氏は、「当社としてできるのは推測することぐらいなので、推測するしかないが、Googleは自社にとって都合のよい方法でやっているのではないかと思う。というのも、Googleにしてみれば、もっと多くのメディアに触れて、もっと多くのメディアの予算を獲得したいだろうから」と話す。もちろん、GoogleとDSPになぜこのようなことが起こるのか問いただしてみたが、A氏いわく、両陣営とも相手に責任があると指摘し、なぜこれだけ大きな数字になっているのかはっきりとした見解を示すことはできなかった。
Googleのコメント
Googleは、一部のエージェンシー幹部やメディアバイヤーがなぜ無効トラフィックの増加に直面しているのかには回答しなかったが、同社の広報担当者は、アド・トラフィック・クォリティ(Ad Traffic Quality)チームが「あらゆるタイプの無効トラフィック」を防ぎ、「広告主が無効トラフィックの対価を支払わずにすむように、また、無効トラフィックを生み出している人たちが利益を得ることのないように」対応していると説明した。[続きを読む]
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