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ジェネレーティブAI の台頭とプライバシー規制で求められる「データ標準化」

記事のポイント

  • 異なるソースから得られる多様なデータを一元化し、標準化することでAIツールが効果的に機能し、キャンペーンの正確な測定や最適化が可能になる。
  • 調査結果によれば、データ標準の整備により平均で30%のROI向上が実現されており、データの品質向上がキャンペーンの成功に直結していることが示唆されている。
  • 将来的には、エージェンシーのデータベンダーやパートナーも巻き込んだプロセスやデータの標準化が求められると考えられる。

今日、どのエージェンシーも効果測定の問題を避けては通れない。その反面、多くのエージェンシーはジェネレーティブAIの普及とプライバシー保護規制の強化に押され、データ運用の厳格化を模索している。

正確な測定やアトリビューション、さらには最適化されたキャンペーンの結果を担保するには、データの標準化は最優先の課題だが、そもそも良質なデータが整備されていなければ、AIツールは効果を発揮しない。

クロスメディア(Crossmedia)のマネジングパートナーであるリー・ビール氏は、「エージェンシーがめざすのは、異種のソースから収集されたデータを一元化して、多様なエンドユーザーがそれぞれの業務で実用できるように整えることだ」と話す。「AIツールの類いを有効活用するには、データを標準化し、信頼性を持たせ、正しく構造化し、正しく設計することが必要不可欠だ」。

データを適切に扱う慣行、いわゆる正しいデータプラクティスを整備することは、キャンペーン指標の改善にもつながる。このほど、マーケティングデータプラットフォームのクララヴァイン(Claravine)が米国の広告主140社を調査したところ、データ標準の整備により、ROIが平均で30%向上したことが判明した。この調査報告を見る限り、プライバシー規制の変更やジェネレーティブAIの成長に後押しされて、エージェンシー各社もデータ標準はもとより、ブランドセーフティ、セキュリティリスク、クリエイティブ制作に与える影響についてより深い検討を進めているようだ。

メディアエージェンシーのグッドアップル(Good Apple)でデータおよびアナリティクス担当のバイスプレジデントを務めるマーク・ストゥリーノ氏は、「データ標準の整備により、自分たちが持っているデータの種類や活用方法についても見直しを迫られる」と述べている。

プライバシー規制への対応

長期的には、データ標準の策定は人件費の削減にもつながりうる。プライバシー規制に変更が生じれば、エージェンシーはクライアントと連携して対応することになるからだ。メディアエージェンシーのメディアプラス(Media+)でアナリティクスとテクノロジーの責任者を務めるマイク・ラフ氏によると、メディアプラスではこのほど、新規クライアントのオンボーディングにかかる費用を削減する一手として、データ収集の手続きを刷新したという。

「どのクライアントも唯一無二で、データの標準化はデータが同じであるという意味ではない」とラフ氏は話す。「それは異なるデータを同じ方法で収集するという意味であり、多様なデータを収集するという点では柔軟だが、データを収集するプロセスという点では厳格だ。比較的新しい各種のプライバシー規制に対応する必要上、規制に準拠したひとつの方法を用いてデータを収集することがかつてないほど重要になっている」。

グッドアップルでは、ブランドセーフティ、QAデータフィード、広告運用を監視するための独自のAIツールも開発している。ストゥリーノ氏の説明によると、GDPR(EU一般データ保護規則)およびそれ以降のプライバシー保護法に対応したことからデータ運用の文書化が進み、結果として報告と分析の改善にもつながったという。

データの標準化をしないという選択肢はあり得ない

「『使えるデータ』を確保するためのデータ標準化はデータガバナンスから出発する」。そう指摘するのは、個人情報保護規制が特に厳しい医療分野を専門とするCMIメディアグループ(CMI Media Group)で、ビジネスインサイトとデータ分析担当のシニアバイスプレジデントを務めるリアンヌ・スミス氏だ。CMIとコンパス(Compas)はデータの属性と命名規則の見直しに2年を費やし、クライアントのニーズに合わせて用語の調整を行ってきた。そして先日、2024年版のデータ標準を発表した。メディアとクリエイティブが標準化された方法で分類し、キャンペーン属性の捕捉に備えるという。

「『ゴミを入れたら、ゴミが出てくる(garbage in, garbage out)』と言われるように、不完全なデータを入力しても、不完全な出力しか得られない。マーケティングの意思決定が職人的な経験値ではなく科学に基づいて行われる時代にあって、データの標準化をしないという選択肢はあり得ない」とスミス氏は述べている。[続きを読む]

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