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2024年、 データプライバシー とAI規制法案はどう進むのか? :米国からグローバルへの影響は

記事のポイント

  • 米国とヨーロッパでは、消費者のデータプライバシー保護のための法規制が進行中で、特にAI規制に関しては、ソーシャルメディアやゲームなどのアプリに対する新たな規則が提案されている。
  • 一部の州では、消費者が簡単にオプトアウトできるシステムを提供し、プライバシー保護法案には州ごとの違いがあるものの、大半はデータ運用プラットフォーム中立の原則に基づいている。
  • グローバルには、EUがAI規制法案(AI Act)を含むデジタルサービス法(DSA)を進め、これらはオンライン広告やプラットフォームの運用に影響を与える可能性がある。

ヨーロッパ各国の現行法では消費者向けターゲティング広告におけるオプトインを義務づけているが、米国各州で施行予定の新法では、消費者がより容易にオプトアウトできる仕組みを提供する。しかし、今後新たなオプトイン方式を義務づける新法が制定されれば、現行の基準が引き上げられることになる。

プライバシー保護法案は大半の州で似通った内容ながら、用語の定義など詳細における相違がある。多くの法案はデータ運用プラットフォーム中立の原則に基づいているが、ローブ&ローブ法律事務所(Loeb & Loeb)のプライバシー/セキュリティ/データイノベーション部門責任者のジェシカ・リー氏は、企業のマーケターとテックチームが自社の扱うデータをしっかり精査すべきだと助言する。

「データ精査の要件は、自社が利用しているプラットフォームにより異なる」とリー氏は言い、「自社のシステムに入ってくるデータの流れを把握するには、技術面で深く掘り下げて調べる必要がある」と主張する。

州法の規制強化と複雑化といった変化への対応を求められる企業向けには、アドテク業界団体からの支援がある。インタラクティブ広告協議会(IAB)は2023年秋、法令遵守に必要なプライバシー保護プログラムと複数州の法律に応用できる枠組みを新たに発表した。

前編「2024年、 データプライバシー とAI規制法案はどう進むのか? :米国各州の対応状況」はこちら。

米国の規制:今後の見通しは?

全米を対象とする新たなデータプライバシー保護法制定の必要性が叫ばれているが、議会における取り組みは遅々として進まない。2024年は大統領選挙の年だけに、議員たちは波風を立てるリスクを冒さないとみる専門家もいる。しかし議会側の動きがなくとも、連邦政府側もプライバシー保護規則強化の道を探っている。

連邦取引委員会(Federal Trade Commission:FTC)は2023年12月、児童オンラインプライバシー保護法(Children’s Online Privacy Protection Act:以下COPPA)の改正を提案した改正案はソーシャルメディア、ゲーム、教育プラットフォームなどのアプリに関する変更を含み、13歳未満の児童の個人データ利用による収益化に関し、デフォルト設定のターゲティング広告やプッシュ通知の送信を禁止するというもの。

カリフォルニア州を拠点とするグレラス・シャー法律事務所(Grellas Shah)のジョセフ・W・グゼッタ弁護士によれば、児童のデータプライバシーへの関心は大いに高まっているという。「誰もがプライバシーに高い関心を寄せている。個人情報を保護するために余分な金は払いたがらないにしても、理論的には保護強化の意義を認めているはずだ」と同氏は語る。「もしプライバシー保護法遵守にあたり12ドル(約1800円)負担しろと言われたら、みな拒否反応を示すかもしれないが、自分自身でなく子どものためであれば喜んで支払うという人もいるだろう」。

ホワイトハウスもAI分野に力を入れている。バイデン政権が2023年10月に発令したAIの安全性に関する新基準を定めた大統領令は、企業のAIシステム開発と政府機関のAI利用に影響を与えそうだ。そのほか、消費者金融保護局(Consumer Financial Protection Bureau:CFPB)も2023年10月、消費者の金融データ共有に関する新たな規則を提案した。

AI規制やデジタルサービス法といった国際法

プライバシーへの影響という観点から国際法のなかでもとくに注目すべきは、AIを規制する法律だ。EUは2023年12月、「AI規制法案(AI Act)」の内容について連合内で大筋合意に達し、AIのみにとどまらない影響力をもつ枠組み確立に向けた大きな一歩を踏み出した。もともと2021年の提案をもとに欧州議会との交渉が続いていた当法案は、AIシステムの開発と利用に関し、EU域内で一律に適用される包括的な規則を定めている。[続きを読む]

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