
- IABテックラボのカツールCEOは、プライバシーサンドボックスの仕組みや対応可能なユースケースを多くの関係者が理解していないと指摘。
- Googleのドキュメンテーションが分散しており、特定のユースケースに関する情報が不足している点を問題点として挙げている。
- プライバシーサンドボックスでは契約を結ぶ相手が明確でなく、カツール氏は自分は誰と契約しているのか、誰もが自らに問う必要があると強調。
マーケターは新たな夜明けの瀬戸際に立たされている。メディア業界最大手のGoogleがChromeからサードパーティCookieを完全排除する準備に入ったからだ。
サードパーティCookieは年間6000億ドルに達するオンライン広告業界の礎石と言っても過言ではない。
単なるCookieの代わりではない
これは正確には「ニュース」ではない。事実上この分野のすべての企業がこの4年間、入念な準備を自画自賛のように喧伝してきた。しかし、実際にはどの程度の準備ができているのか。2024年末のデッドラインを前に、(無言の)不安が広がっている。
米DIGIDAYはIABテックラボ(IAB Tech Lab)のアントニー・カツールCEOに取材して、正念場となるこの1年の舵取りについて話を聞いた。
IABテックラボは現在、プライバシーサンドボックスに関する分析結果の発表に向けて準備を進めている。数ヶ月をかけて60社を超える企業に聞き取り調査を行った結果で、公開は来月初頭を予定しており、カツール氏が対処の必要な難しい問題のいくつかについて概説している。
「プライバシーサンドボックスに関しては、その仕組みや対応可能なユースケースについて、よく分かっていない関係者がまだ多くいる」とカツール氏は指摘する。「考えてみれば、これは単なるCookieの代わりではない。事実上、ChromeブラウザにSSPと広告サーバを組み込んだようなものなのだ」。
Googleにドキュメンテーションの改善を働きかける
これは大規模なパラダイムシフトであり、この業界の多くの人々が「これは本来、どう機能すべきものなのか?」というもっとも基本的な問いに答えられずにいる。
「ドキュメンテーションからして難題だ。特定のユースケースを満たそうにも、それについて書かれた文書があちこちに散在している」とカツール氏は話し、現在Googleに追加的な説明を求めていると言い添えた。
「たとえば、技術仕様が全体的に分かりにくい。あちこちに不完全なところがあり、データ制限、送信保証、データ容量の上限、レイテンシー、どのように動作するのかなど、極めて重要な詳細情報が不足している」。[続きを読む]
The post プライバシーサンドボックス 導入で求められる、「誰と契約しているのか」という責任 appeared first on DIGIDAY[日本版].
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