
スコット・マッキントッシュ氏にとって「TikTokで見て購入した(TikTok Made Me Buy It)」という波に乗ることが以前よりも難しくなっている。当初はそのおかげで、マッキントッシュ氏と彼が発明した「セルフォンシート(Cell Phone Seat)」と名付けられたスマホ立て付きドリンクホルダーは、TikTokで5000万ビューを集めた。
マッキントッシュ氏は昨年、まだベータ版だったこの中国のソーシャルメディア企業の米国版オンラインマーケットプレイスに参加した。売上は好調で、TikTokが送料を負担し、同氏のような販売者をTikTokショップ(TikTok Shop)に呼び込むために割引を提供したため、マッキントッシュ氏は収益の多くを手にすることができた。同氏によれば、オーガニックな動画やライブショー、アフィリエイト、広告キャンペーンを通じて、TikTokで1日あたり通常約1000ドル(約15万円)の収益を上げていたという。それが今は1日50ドル(約7800円)に減ってしまった。
「ダメになるまでは、とにかく長いこと本当によかったんだ」とマッキントッシュ氏は話す。
偽造品や広告、競争の激化、禁止法……TikTokショップの懸念点
売上が伸び悩んだ理由はいくつかある。ひとつは偽造品業者が同氏のセルフォンシートの偽造品をもっと安く売ろうとするなど、流行が諸刃の剣になってしまったからだ。マッキントッシュ氏がeBayをチェックしたところ、自分の出品していないセルフォンシートが67点も見つかったこともあった。
その上、TikTok広告の効果は低く、掲載料もさらに高くなっているとマッキントッシュ氏は指摘した。TikTokの広告は、ほかのプラットフォームの広告よりも感心が薄れるのが早いため、販売者の利益を圧迫している。同氏によれば、Facebookやインスタグラムの広告は何年継続しても売上につながるが、TikTok広告は3週間から4週間しか効果が持続しないという。一方、TikTokは支出を削減するようになり、当初同氏を同プラットフォームに引き寄せた補助金の一部は減らされている。
こうしてマッキントッシュ氏がこのTikTokプラットフォームに参加して以降、登録する販売者が増えて競争が激化し、TikTokはAmazon.comなどと競争しようとしており、TikTokショップの状況は劇的に変化した。そしてプラットフォームの競争が激しさを増すにつれて、参入費用は増加の一途をたどっている。そのためTikTokショップ利用するブランドや販売者は、TikTokがその恩恵をさらに縮小させる可能性に備えている。その一方で、米国での禁止措置という直接的な脅威も差し迫っている。
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The post もはや TikTokショップ で利益は得られない? セラーたちを悩ませる手数料から偽造品、禁止法の懸念 appeared first on DIGIDAY[日本版].
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