
この夏、男性ファッションでは「ニットポロ」が注目されている。ニットポロは、目の粗い織り地とレトロなデザインでアップデートされたビジネスカジュアルポロの一種で、従来の堅苦しいメンズウェアから脱却し、より斬新なスタイルを取り入れるきっかけとなっている。多くのファッション業界関係者が、このトレンドを「冒険的な服装への入り口」と評価しており、売れ筋になると予測されている。
ファストファッション業界もニットポロの品揃えを強化
もちろん、ファストマスブランドもこのニットポロのトレンドに真っ向から取り組んできた。カジュアルファッションブランドのアバクロンビー&フィッチ(Abercrombie & Fitch Co.)の最高製品責任者であるコーリー・ロビンソン氏によると、同ブランドは5年前の2019年、クラシックな1950年代のメンズウェアがトレンドになりはじめたときに、このスタイルを3種類導入したという。「反響を受けて、当社では選択肢を大幅に増やし、メンズウェアの品揃えで重要な一角を成すようにした」と同氏は語った。アバクロは現在、独特なステッチが施されたニットポロをさまざまなシルエット、色、パターンで販売しており、2019年にはクロシェ編みのポロを導入した。同ブランドのニットポロは60ドル(約9500円)から100ドル(約1万5900円)で、今ではトラディショナルなピケポロよりも売れている。
ファッション市場調査会社のエディテッド(Edited)によると、2024年1月から2024年6月までのあいだに、量販店全体でニットポロの品揃えが前年比で50%増加した。ファストファッションブランドのザラ(Zara)では数量が37%増加し、このスタイルの平均価格は昨年に比べて10ドル(約1590円)上昇した。一方、ファストファッションブランドのマンゴ(Mango)ではニットポロの品揃えが83%増加し、平均価格は7ドル(約1110円)上昇した。このスタイルのマーケティングも盛んで、ファストファッションブランドのH&Mでは、メールマガジンで「ニットポロ」に言及する頻度が25%増加した。一方、量販店のウェブサイト全体で「コットン」ポロは19%、「ピケ」ポロは15%減少しており、エディテッドの小売アナリストのクリスタ・コリガン氏は、クラシックなバージョンからの転換が見られると述べた。
ニットポロを「大きな成長分野」とみなしているオールバーブラウンにとって、イタリアを生産拠点にすることは差別化要因であると、CMOを務めるトレバー・ハーディ氏は語った。同ブランドは最近、生産拠点をヨーロッパに移した。トッドスナイダーは、あまり一般的ではない質感のあるスタイルを優先している。「質感を重視するほど生産コストは高くなる」が、トッドスナイダーの顧客はブランドに「プレミアムでユニークな」製品を求めていると、レット氏は述べた。
しかし、多くの男性はまだこのスタイルになじみがなく、成長の余地がある。パーシバル(Percival)の創業者でクリエイティブディレクターのクリス・ゴーブ氏によると、4月頃、ポロ関連のGoogle検索でもっとも多かったのは「ポロとは?」だったという。また、イーストハンプトンズに拠点を置く小売店のポップアップ出身で、マイテレサ・ノースアメリカ(Mytheresa North America)の広報およびコミュニケーション責任者のアーロン・アレクサンダー氏は、ニットポロを試着した男性客が「このフィット感で合っているのか?」と尋ねたと語った。続きを読む
The post ZARAやH&Mも注目 「 ニットポロ 」は男性のファッション意識まで変えるキーアイテムに appeared first on DIGIDAY[日本版].
Source: New feed
