
- テムは低価格商品のイメージを脱却し、高価格帯商品を取り入れることで、アマゾンに挑戦する戦略を強化している。
- ニューヨークの展示会でブランドとのネットワークを構築し、米国内セラーの拡大を狙う。
- 一部ブランドはテムに期待を寄せる一方、高級ブランドは慎重な姿勢を示している。
次なるエブリシングストアとしてAmazonへの挑戦を狙う中国のeコマーススタートアップ、テム(Temu)が、2.25ドル(約350円)のサンダルや11.97ドル(約1840円)のカメラの枠をこえたマーケットプレイスとしての地位を固めつつある。
展示会でブランド獲得に動く
12月初め、ニューヨークのセントラルパークの真向かい、プラザ・ホテルのすぐ近くにあるパーク・レーン・ホテルには、70を超えるフットウェアブランドが世界中から集まった。半年ごとに開かれる「フットウェア・ショー・ニューヨーク・エキスポ(Footwear Show New York Expo:以下、FSNYE)」だ。ミネトンカ(Minnetonka)やケイティ・ペリー・コレクション(Katy Perry Collection)、ネロジャルディーニ(NeroGiardini)といったブランドが、5フロアにわたって客室にショールームを設け、訪れて品定めするバイヤーに向けて自社製品のサンプルを展示した。
そんななか、意外な企業の担当者たちが客室を回っていた──テムだ。
FSNYEのプレジデント、フィリス・レイン氏によると、3日間にわたって行われる同イベントの朝のコーヒーと紅茶は、テム(親会社はPDDホールディングス[PDD Holdings])が用意してくれたという。そして、これと引き換えに、自社プラットフォームへの参加ブランドの拡充を狙うテムは、このイベントを活用して、老舗・新興ブランド各社とのネットワークづくりのための機会を得た。
各階に設置された、コーヒーと紅茶が並べられた折りたたみテーブルの上には、テムのマーケットプレイスに関するパンブレットも置かれていた。「テムで販売を始めましょう」とブランド各社に促すそのパンフレットには、それをスキャンすると、テムのオンラインストア登録申し込みページページへリダイレクトされるQRコードも付けられていた。中国資本のテムは、この半年間、米国のセラーに声をかけ、その急成長するディスカウントサイトへの参加を呼びかけてきた。そして11月、既報のとおり、米国のブランドと個人のセラーが登録・販売できるテムのマーケットプレイスが、ついにオープンした。続きを読む
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