dairy

ホイール型思考が連鎖的な成長を生む。 レイ・イナモト 氏のブランド構築論

記事のポイント

  • レイ・イナモト氏は、今の時代は広告よりも個人発信が影響力を持ち、信頼がブランドの核心になると語る。
  • イナモト氏は、共通言語が企業の軸となり、価値の伝達と社内外の一体化に不可欠だと指摘する。
  • 従来のファネル型に代わる新たな発想として、イナモト氏は「ブランドのフライホイール」を提唱している。

「ここ5年で、従来のマーケティング法則が効かなくなった」ーー。米ニューヨークを拠点として、世界を舞台に活躍するクリエイティブ・ディレクターであり、I&CO共同創業者のレイ・イナモト氏はそう語る。AIをはじめとする技術革新、生活者ニーズの多様化、広告を取り巻くルール再編など、昨今の市場を取り巻く環境の変遷は目まぐるしい。まさに変革期を迎えるいま、企業はこの変化にどう対応し、どのような戦略で向き合えばよいのか。

企業の変革に伴走するパートナーとして、数々のマーケティングやブランド戦略をサポートしてきたイナモト氏に、2025年にアップデートすべきこと、そして同氏が提唱するブランド構築の新たなフレームワーク「ブランドのフライホイール」について話を聞いた。

有益な情報発信でいかに「信頼」を生み出すか

Digiday Japan編集部(以下、DD):まず、マーケティング活動に取り組むなかで、現在の市場環境をどのように捉えていますか?

レイ・イナモト(以下、イナモト):特にこの5年ほどで、従来のマーケティングの法則が通用しなくなってきたと感じています。たとえば、広告のプロが手がけた5000万円のキャンペーンよりも、ユーザーが投稿した5万円規模の施策に大きな効果が出ることもあります。そうなると、マーケターは、いつ、どこに、どれほどお金をかければいいのか悩んでしまうでしょう。もちろん、その答えはひとつではありませんが、ソーシャルメディアの普及によって個人の力が強くなってきたことは確かです。「どのように情報を提供し、ユーザーが共有してくれる環境をどう作るか」が重要なポイントになってきているのは、これは今までになかった大きな変化です。

以前のブランディングやマーケティングは、広告宣伝でイメージを醸成できれば、ある程度ビジネスとして成り立っていました。しかし今は、一個人の影響力が大きくなり、社会全体により透明性が求められるようになった。この変化によって、企業と消費者の関係も大きく変わりました。かつて大事だったのは「イメージ」でしたが、今は「信頼」に重きが置かれています。つまり、いくらイメージをよくしても、信頼が伴わないと、結局、消費者は離れていってしまうのです。

逆に、企業が発信する情報に価値があれば、それはユーザーの知識となり、信頼が生まれ、拡散されていきます。「いかに信頼を生み出すか」。それが、これからのマーケティング、そしてブランド構築においてもっとも重要な要素になると感じています。
[▼会員登録をして続きを読む▼]

The post ホイール型思考が連鎖的な成長を生む。 レイ・イナモト 氏のブランド構築論 appeared first on DIGIDAY[日本版].

Source: New feed

ABOUT ME
wpmaster
wpmaster
英語大好き人間のenglisheaterです。このブログではこのような英語に関する情報提供をしていきたいと思います。よろしくお願いします。