
- エムバペがディオールのアンバサダーに就任し、サッカーとファッションの融合が加速している。
- 2026年W杯や2028年五輪を前に米国のサッカー熱が高まり、ブランドは文化的接点を強化中。
- ファッション業界が選手やチームとの提携、ジュエリーなどでサッカー文化を取り込んでいる。
6月24日から6月29日にかけて開催されたパリ・メンズファッションウィークにおいて、ジョナサン・アンダーソン氏がディオール(Dior)における初の公式コレクションを披露した。しかし、同ショーにはもうひとつの初登場があった。フランスのサッカー界におけるスーパースター、キリアン・エムバペがブランドのアンバサダーとして初登場したのである。
ディオールと、ファッションとスニーカーに強いこだわりを持つことで知られるエムバペとのクロスオーバーは、サッカーとファッションの融合が続くなかでの最新事例にすぎない。
たとえば、1月にはエムバペの旧所属チームであるパリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain)がラグジュアリーストリートウェアラインを発表し、6月にはスポーツ統括団体FIFAが独自のラグジュアリーブランドを立ち上げた。今後数年間で複数の主要なサッカー大会が米国で開催される予定であり、米国ブランドにとってこの潮流に参入するのは絶好のタイミングだといえる。
米国市場におけるサッカーとファッションの可能性
スポーツマーケティングに長年携わり、プレミアリーグやリーグ・アンなど世界の主要サッカーリーグでの経験を持つストレッチPR(Stretch PR)のシニアバイスプレジデント、ダン・ロブリング氏は「こうした現象は数年前からはじまっていたが、米国において特に顕著になってきている」と語る。
ロブリング氏は「サッカーは世界最大のスポーツであり、リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウド、キリアン・エムバペといった世界的に認知されたアスリートを擁している。そのため、グローバルブランドがこうしたアンバサダーと連携するのは自然な流れである」と述べた。
「そして今、2026年にFIFAワールドカップが北米で開催されることを踏まえると、FIFAやブランドにとって米国市場での認知と成長に向けた重要な時期に入っている。2026年に向けて、そしてそれ以降に向けて、サッカー関連のブランド提携はさらに増加するだろう」と続けた。
ファッションブランドがサッカーの成長を取り込む方法は多様だ。ディオールのように著名選手をアンバサダーとして起用するケースもあれば、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)が6月にエムバペの現所属チームであるレアル・マドリード(Real Madrid)をスポンサーしたように、チーム全体を支援する方法もある。
また、ニューバランス(New Balance)が5月に人気サッカーポッドキャスト「メン・イン・ブレザーズ(Men in Blazers)」と提携したように、サッカー関連のメディアエコシステムへの参入も一例だ。ニューバランスと同ポッドキャストは、通年でサッカー関連のライブイベントを共催している。
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