- ドナルド・トランプ氏の2期目の大統領就任が、メディア・広告業界に与える影響について分析した。
- 文化戦争の影響：広告やマーケティングは、トランプ大統領の政策や発言により社会的な論争に巻き込まれ、ブランドの立場が厳しく問われると見られる。
- 規制緩和と技術推進：AIやビッグテックへの規制緩和が進む一方、安全性や倫理面での懸念も増大する可能性がある。
- メディアと広告の緊張関係：トランプ氏の攻撃的な姿勢がメディアの信頼性を損なう一方、広告業界は政府介入や市場の変化に対応を迫られると見られる。
ドナルド・トランプ氏が米国大統領の2期目の就任を控えているが、今回、その影響はメディアや広告業界において、前回以上に深刻なものになると予想される。その内情について以下に解説する。
CMO
マーケティング担当者は厳しい状況に直面しようとしている。トランプ氏が投票で支持されたことは、文化戦争における重要な瞬間を反映している。すなわち保守派がトランスジェンダーの可視性や中絶の権利などの問題に反対の立場で結集している。CMOたちは、自社ブランドの価値を高めようと、これらの議論に足を踏み入れ、これらの話題を主流化させることで市場での存在感を高められると信じていた。その方法はうまくいくこともあるが、バドライト（Bud Light）のマーケティング担当者が失敗したように、うまくいかないことも多い。
将来を見据えて、CMOはさらに注意深く歩を進める必要がある。それが「ウォークウォッシング（表面的な社会正義への取り組み）」と呼ばれようが、重要な問題を提起することへの真摯な取り組みでも、このトレンドが消えることはなく、ますます強まるばかりであることは明らかだ。結局のところ、資本主義には適応するためのコツがある。経済的、社会的、政治的なシステムに疎外感を抱く若い世代が増えるなかで、大企業が彼らの理想を活用することは賢明な戦略といえる。
しかし、これは諸刃の剣でもある。トランプ氏は大統領に復帰した場合、ウォークカルチャーと呼ばれる潮流と戦うことを宣言しており、連邦の権力を駆使して教育、ヘルスケア、警察を再建すると誓約している。この戦いが広告に及ぼす影響を測るには、トランプ氏の味方や、Xのオーナーであるイーロン・マスク氏、およびマスク氏が世界広告宣伝業連合（World Federation of Advertisers）を相手取って起こした訴訟を注視するべきだ。その結果から、広告への影響がうかがい知れるかもしれない。続きを読む
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