
メディアエージェンシーはAIによって効率化が進むと宣伝しているが、マーケターはその真偽を確かめようとしている。もしそうなったとしても、効率化による節約は自分たちに見返りをもたらすのだろうか。
いまのところマーケターが抗議活動を展開しているわけではないが、疑問の解消を求める声は嵐のように勢いを増している。
マーケターが感じている疑問は次のようなものだ。エージェンシーはAIと自動化をどのように活用しているのか。AIでどのようなタスクやワークフローを実行しているのか。AIの利用に関する透明性と説明責任をどのように確保しているのか。AIによる効率化を反映した新しい価格モデルはあるのか。AIによって著しい効率化や成果を達成したクライアントの成功事例を示せるのか。
こうした疑問は、根本的な懸念に関わるものだ。効率化と自動化を得意とするAIは、支払い請求可能な業務時間を大幅に減らし、従来の価格モデルを揺るがす可能性がある。
広告業界の価格革命
もっとも、その影響は限定的だろう。メディアエージェンシーは通常、プロジェクトの複雑さ、支払い請求可能な時間、専門性の高さなど、さまざまな要素に基づいて広告主に料金を請求している。そのため、いまの価格モデルを脅かすような事態があれば、エージェンシーは注目し、真剣に検討を始めるはずだ。
「どのように見返りが得られるのかという問題に、いま注目が集まっている」と、あるコンサルティング会社の上級幹部は、匿名を条件に率直に語る。「AIによってメディア管理にかかる時間が20%短縮されたら、料金も20%引き下げられるのだろうか」。
もちろん、これは率直な疑問というだけでは済まされない話だ。マーケターは、AIの能力がターゲティングやパーソナライゼーション、それにキャンペーンの最適化に活用されてサービスが高度化されることで、値上げが正当化されるかもしれないと感じている。それでも、コストに関する疑心暗鬼は依然として残っている。[続きを読む]
The post AI でエージェンシーの効率化が実現できるなら、浮いたコストはマーケターに還元すべき? appeared first on DIGIDAY[日本版].
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