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AI で変わるジャーナリストの働き方 ロイターが業務時間を削減できたわけ

記事のポイント

  • 報道機関によるAI導入が加速し、記者支援ツールとしての活用が主流になりつつある。
  • ロイターやフィナンシャル・タイムズでは要約や調査報道などにAIを活用しつつも、人間中心の編集体制を維持している。
  • AIを単なる効率化手段にとどめず、信頼性・読者関与・配信チャネル最適化を見据えた運用が進んでいる。

報道機関によるAIツールの導入が、再び注目を集めている。

一時は斬新ながらも誤りが多く、あるいは人の雇用を脅かす存在として敬遠されたAIだが、近年では記者の支援ツールとして前向きに導入を進めるパブリッシャーが増えてきた

文字起こし、翻訳、背景調査、SEO対策、プレスリリースの要約、見出しの選定、さらには記事作成にいたるまで、あらゆる業務においてAIが有用とされている。

報道機関は「より少ないリソースで、より多くの業務を遂行せよ」という厳しいプレッシャーにさらされている。こうした状況のなかで、AIツールの静かな普及は大きな変化を意味している。すなわち、AIは(少なくとも現時点では)人間の記者を代替する存在ではなく、知らぬ間に彼らを支える助っ人のような役割を担いはじめている

AI戦略を再構築する報道機関たち

ロイター(Reuters)でAI戦略の責任者を務めるジェイン・バレット氏は、米DIGIDAYの取材に対し「記者の能力向上を支援し、未来は待つものではなく自ら切り開くものであると考えられるようにしたい」と語っている。

ロイターは、世界中に約26000人のジャーナリストを擁しており、生成AIの活用に向けた訓練を徹底して実施している。また、動画制作に特化した各種AIツールを各地のニュースルームで数ヶ月にわたり試験運用し、2025年4月には顧客であるパブリッシャーや放送局に向けて公開した。

このひと月のあいだに、ロイター、インデペンデント(The Independent)、ワシントンポスト(The Washington Post)、ニューズクエスト(Newsquest)など、大手報道機関が相次いでAI戦略の軌道修正を打ち出している。競争の激しいニュース制作の現場で、生成AIの台頭に適応するための取り組みである。

こうした動きには、AIによるジャーナリスト支援、AI搭載のコンテンツ管理システム(CMS)の刷新、独自AIツールの開発、そしてインデペンデントが展開する完全AI生成のニュースメディア「ブルティン(Bulletin)」などが含まれる。

小規模なニュースルームでAIツールを試験的に活用するのと、編集業務全体に本格導入するのとでは、課題の大きさがまったく異なる

新たなワークフローの構築やスタッフの育成、組織文化の変革など、全社的な対応には多くの準備と対応が求められる。それでも、こうした大きな一歩を踏み出すパブリッシャーは着実に増えている。

効率化とパーソナライゼーションを両立し、将来を見据えた持続可能なジャーナリズムを実現するために、避けては通れない取り組みだと、米DIGIDAYが本稿のために取材した7社のパブリッシャーは口を揃えた。

AI活用を本格化するフィナンシャル・タイムズ

フィナンシャル・タイムズ(Financial Times、以下FT)は、AIを活用した計算技術によって、「掘り起こさなければ埋もれてしまう」重要なニュースの発掘に取り組んでいる。

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