
- AmazonとGoogleは割引やクレジットを使い、トレードデスクのシェアを奪おうとしている。
- エージェンシーは両社のインセンティブに懐疑的で、プラットフォーム所有にも警戒を強めている。
- トレードデスクの契約は柔軟性に乏しく、広告主の一部は他社DSPへの移行を検討している。
ストリーミング戦争のことはいったん脇に置いて、コネクテッドTV(CTV)広告の主導権争いに目を向けよう。ここで焦点となるのは、AmazonとGoogleが、大手独立系アドテク企業であるトレードデスク(The Trade Desk、TTD)のCTV広告事業にいかに圧力をかけようとしているかという点だ。
「誰もがTTDの価値を引き下げようとしている」と、あるエージェンシー幹部は語った。
AmazonのDSPと、GoogleのDSP「ディスプレイ&ビデオ360(Display & Video 360、以下DV360)」は、それぞれAmazonプライムビデオ(Prime Video)とYouTubeのインベントリー(在庫)をプログラマティックに購入するための主要な手段として、CTV広告市場における強固な地位を築いている。
DSPインセンティブの実態と戦略
さらに両社は、それぞれのDSPを通じてサードパーティのCTVアプリにおける広告枠の購入を促すことで、広告主の支出配分における存在感をさらに高めようとしている。
エージェンシー関係者によれば、Amazonは自社のDSPを通じてサードパーティのCTVインベントリー(在庫)を購入する広告主に対し、DSP料金の割引を提供しているという。一方、GoogleはDV360の利用者に対してクレジットを還元する施策を取っている。
Amazonの広報担当者は「Amazon Adsは、自社のDSPを広告購入者にとってもっとも優れた選択肢にすべく取り組んでおり、効率の向上とキャンペーン管理コストの削減をめざしている。そのすべてにAIの活用が不可欠だ」とeメールで述べている。
インセンティブは決定打となるのか
Googleの米国およびグローバルパートナー担当プレジデントであるショーン・ダウニー氏は最近のインタビューで、同社が今年のアップフロント市場において広告主に対しクレジット提供を予定していることを明かした。
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The post Amazonと Google が仕掛けるCTV主導権争い 独立系DSPであるトレードデスクの立場は? appeared first on DIGIDAY[日本版].
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