
- ビーリアルは、SNS広告における「自然さ」への需要増を好機と捉え、米国で広告事業を本格始動した。
- TikTokの不透明な状況を背景に、ビーリアルは広告予算の受け皿としての存在感を高めている。
- 今後は自動化機能や欧州展開も視野に入れ、広告主とユーザー双方への価値提供を強化する。
もともと反広告的な立場を掲げていたBeReal(ビーリアル)だが、4月10日、米国で広告事業を正式に立ち上げた。多くのブランドが予算を削り、忍耐力を試されているこのタイミングは、一見すると最悪の時期のように思える。しかし、ビーリアルの米国広告責任者にとって、この混乱こそがむしろチャンスなのだという。
「米国の広告代理店やブランド担当者から話を聞く限りでは、作り込まれた『いかにも感』のあるコンテンツに対する反発が強まり、より自然でリアルな表現へのニーズが高まっている。そうしたエコシステムのバランスを取り戻す動きのなかで、我々のような存在が求められている」と、ウォルマート・コネクト(Walmart Connect)からビーリアルに加わるベン・ムーア氏は語る。
ビーリアルの広告開始のタイミングを後押しする要因のひとつが、TikTokを取り巻く不透明な状況である。4月上旬、トランプ大統領がTikTokの米国における売却期限を再び75日延長したことで、広告主やクリエイター、ユーザーは再び宙ぶらりんの状態に置かれている。
「ほかのプラットフォーム、特にTikTokの不安定さは、我々にとって有利に働いている。広告主や代理店も、予算を新しい場所に移す準備ができていると感じている」とムーア氏は述べる。「我々のチームはすでに体制が整っており、ブランド・代理店双方のメディアバイイングを支援できる。また、共同ビジネスプランやインセンティブ設計なども用意しており、ほかのプラットフォームを促進してきたのと同じように、アプローチが可能だ」。
年内には自動化機能も
これらの一連の出来事が、ビーリアルの広告事業への広告費流入につながることを期待している。ビーリアルでは、過去6カ月にわたり大手広告主やフォーチュン500企業とともに広告のテスト運用を進めてきた。具体的な企業数は明かしていないが、広告事業の本格始動にあたり、あらゆる広告主を歓迎するとしている。
ただし、出稿の最低金額は1万ドル(約145万6700円)。これを支払えば、広告主は2つの広告フォーマットを利用できる。ひとつはターゲティング可能な「インフィード広告」、もうひとつは1日限定でアプリをジャックできる「ハイインパクト・テイクオーバー広告」である。どちらも既存のSNSで使われてきた形式であり、他チャネルからのクリエイティブ転用も容易である。[続きを読む]
The post BeReal が米国で広告事業を本格始動 自動化と欧州展開で収益の柱づくりへ appeared first on DIGIDAY[日本版].
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