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CMO の仕事は組織を動かしていくこと。吉野家・田中氏が語る、マーケティング観とは

吉野家が金曜日に牛丼並盛をソフトバンクユーザーに無料で配る「スーパーフライデー」、ポケモンとタイアップした創業120周年「ポケ盛り」、RIZAPとコラボした「RIZAP牛サラダ」――。吉野家における、世間を賑わせたこうした施策のマーケティング戦略を実施してきたのが、同社CMOの田中安人氏だ。

田中氏は、吉野家のマーケティングを統括する以前のエージェンシー時代にも、演奏家女性グループである女子十二楽坊を日本に広めたり、世界的サッカーチームのレアル・マドリードを日本に来日させたりと、多くのビジネスインパクトを残してきた。

企業の成長につながった施策や事業を切り口に、そこに秘めたマーケターの想いや思考を追っていくDIGIDAY[日本版]のインタビューシリーズ「look inside!―マーケターの思考をのぞく―」。今回は吉野家の田中氏に、自身が持つCMO観やマーケティングに対する哲学について聞いた。「市場創造をするために、すべての組織を動かしていくのがCMOだ」と、同氏は語ってくれた。

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結果を残すマーケターの共通点

DIGIDAY編集部(以下、DD):田中さんは、吉野家のCMOとして多くの施策を統括してきたと思うのですが、どういったポイントを軸にして、マーケティング戦略を構築しているのでしょうか?

田中安人(以下、田中):まず、私が吉野家のCMOに就任したとき、「CMOとは何か?」と問うためにP&Gの元グローバルマーケティング責任者であるジム・ステンゲル氏に会いに行ったときの話をしましょうか。

彼は、マーケティングの視点だけではなく、目的のために人事や財務といったあらゆる側面から企業を動かしていました。彼の実績と生の意見を聞くことで、「市場創造をするために、すべての組織を動かしていくのがCMOの役割」だと気づかされたんです。この部分に、CMOとして重要なポイントがあるのではないかと思います。

田中 安人/吉野家CMO。マーケティング支援&コンサルティングを手掛けるグリッドCEO。大学卒業後に八百半デパート(ヤオハンジャパン)に入社したのち、広告制作会社を経験。その後、2002年に広告代理店を起業し、女子十二楽坊の輸入やレアル・マドリードの日本来日を手掛けた。2017年より吉野家のCMOを務めている。趣味はウエイトトレーニングと読書。日々、フィジカルとブレインを鍛える。最近のモチベーション維持法は、原宿のゴールドジムで極限まで追い込むハルク達とトレーニングをすること。

DD:それはCEOと役割が似ているようにも感じますが、企業のトップとの違いは何でしょう?

田中:CEOは経営判断を下すのが主な役割です。しかし、CMOは経営判断以外のすべての領域で影響力を発揮する必要があるということ。商品開発や人事、さらに部門間でのコミュニケーションがうまくいかない部分にも干渉して、それらを円滑に進める役割がCMOには求められます。マーケティングのことだけを考えて戦略を実行していても、それはマーケターのエゴなんですよね。

たとえば、商品開発あるいはマーケティング施策でとてもいいアイデアがあったとしても、組織が上手く動かなくて思うような結果にいかないことって多々ありますよね。だからこそ、結果を残しているマーケターは組織を動かすのが上手な人なんです。続きを読む

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