
ChromeのサードパーティCookieが消滅に向かっているが、マーケターと話しても実感は湧かないだろう。
すべてのマーケターが嵐を乗り切るための計画を持っている──あるいは、それを利用するつもりかもしれない。ゲーム内広告会社も例外ではなく、Cookieの終焉が近づくにつれて、疑念を抱くどころか、自信を示している。
Cookieなき世界、ゲーム内広告は「どちら側」につくのか?
ゲーム内広告会社の幹部のなかには、Cookieの崩壊がこの分野のゴールデンチケットとなり、広告業界の日陰から抜け出すチャンスになるかもしれないという筋書きを描く者もいる。ゲーム内広告主が話題性のあるものに飛び付こうとするのは初めてではないが、ゲーム環境で生み出される膨大なユーザーデータを考えれば、こうした壮大な主張にはいくらか真実味がある。
広告業界が不確実で、推測に頼っている実情を考えれば、こうした主張は理論と呼べるものであり、その理論は次のように展開される。ChromeでサードパーティCookieが廃止されたら、ウォールドガーデンの外にあるオンライン広告市場は、ファーストパーティ識別子と同意がある上質な広告インベントリの一群と、ターゲティングが不十分で、詐欺やマルバタイジング(マルウェアを拡散するなどの不正広告)の可能性がはるかに高いインプレッションのロングテールに分かれる。
ゲーム内広告会社が市場のどちら側に付くと考えていても不思議ではない。
メディアモンクス(Media.Monks)のイノベーション担当シニアバイスプレジデント、ルイス・スミシンガム氏は、「全体的に、メディア支出の未来はデータが豊富な環境、そして、従来のスポーツ広告では知り得なかった、シーズンチケット購入者以外の消費者を知ることができる環境へと移行している」と話す。
「突然、スポーツやゲームを見ている全員のすべてを知ることができるようになり、一人ひとりの多様で興味深い広告プロフィルが手に入る」。
足踏み状態が続くゲーム内広告
ゲームの台頭は、いわゆる「エクステンデッドリアリティー(XR)」やメタバースに向かうメディアのより広範なトレンドと同様、サードパーティCookieがついに消滅した後、ユーザー情報の不足を痛感するブランドにとって魅力的な「救命いかだ」になる。
ゲーム環境では、ゲーム内で行う意思決定から特定エリアに滞在する時間まで、ユーザーのほぼすべての行動からデータが生まれ、それはサードパーティCookieのような技術に頼る必要はない。ゲーム内広告会社はブランドリフト、ブランドロイヤルティといった指標を測定する事実上のユーザー調査としてゲームの世界を活用できる。
ゲーム内広告会社アドインモ(AdInMo)のCEO、クリスタン・リバーズ氏は、「ユーザーにアンケート調査に答えてもらう代わりに、特定のブランドやブランドカテゴリーを表示し、ゲーム体験のなかでどれに興味を示すかを見ることで、効果的に同じ調査を行うことができる」と話す。
「『どれが好きか』がはっきり分かるわけではないが、より関わり合っているもの、より夢中になっているものがわかる。それがゲーム内エンゲージメントの力だ」。[続きを読む]
The post Cookie なき世界、ゲーム内広告は「上質な在庫」となるか「高インプレッションの粗悪品」となるか appeared first on DIGIDAY[日本版].
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