
アドテクはその存続に関わる脅威に直面している。多様なオーディエンスを適切に組み合わせる基盤ツールが消滅の危機に瀕しているからだ。
その反面、デスクトップとモバイルのインターネットを制覇した一部のアドテク企業は、CTV広告という新たな活路を見いだしつつある。市場調査会社のイーマーケター(eMarketer)によると、CTV広告は今年22%の成長が見込まれ、その広告費は300億ドルを超えるという。
3月中旬にニューヨークで開催されたカンファレンス「CTVコネクト(CTV Connect)」では、アドテク業界が直面する喫緊の課題が議論の俎上に載せられた。基本的には、同業界がデスクトップとモバイルで経験したある種の成長痛をどう回避すべきか模索する場となった。
フリークエンシーキャッピングに対する苛立ちは、壇上の高揚したムードにいくぶん水を差したが、CTV広告費の大部分(87%)を占める運用型取引に待ったをかけるには至らない。
DSPの機能不全
イーマーケターが引用した統計データによると、マーケターとパブリッシャーの30%が「フリークエンシーキャッピングの効率化によって、CTV広告費が増加する」と考えている。一方、マグナ(MAGNA)のバイスプレジデントで戦略投資の責任者を務めるカロリナ・ポルテラ氏は、CTVというメディアがもたらす機会にはさまざまな課題がつきまとうと認めている。
同氏は「同じ広告の繰り返し表示を制限すべき」をテーマとしたパネルディスカッションで、「全体を俯瞰するホリスティックなレベルでのフリークエンシー管理には課題がある」と指摘した。「この課題に対応するための装置をもっと工夫しなくてはいけない」とポルテラ氏は話す。「全体を網羅する完璧な管理は難しいとしても、我々はそれについて多くのことを考えている」。
CTVが広告主にもたらす課題と機会の二元性については、ジャウンスメディア(Jounce Media)の最高経営責任者(CEO)であり設立者でもあるクリス・ケイン氏の講演で明瞭に語られた。ケイン氏はカンファレンスの参加者に向けて「リアルタイム入札による広告掲載の機会」にまつわる複雑な問題のいくつかについて説明した。
CTVにおいてリアルタイム入札による広告掲載が旧来のテレビと大きく一線を画することは間違いない。従来のテレビ広告枠は基本的にアップフロント(先行予約)で売買される。理論的には、バイヤーがブランドセーフティを妥当な程度担保できるということだ。さらに、従来のテレビ広告の領域では、広告のターゲティングと効果測定に関して一定のコンセンサスが成立している。
しかし、プログラマティックバイイングがテレビの世界に浸透するに伴い、複雑なサプライチェーンが好ましくない商慣行の温床ともなるオープンマーケットでのメディア売買で、広告主がときにそれ特有の危うさにさらされることもある。[続きを読む]
The post CTV広告 に、プログラマティックの好ましくない「常識」を持ち込ませないためにはどうすべきか? appeared first on DIGIDAY[日本版].
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