
- Googleがトラフィックを無効化しているとされ、アドサーバーのインプレッションやクリックが無効になる割合が高まっている。また、これにより特にDSPからのトラフィックに影響が出ているとの報告があった。
- Cookieなき環境でのアトリビューションについての懸念があり、IPアドレスの利用に対する議論が行われた。
- AIの導入にはクリエイティブなマーケティング戦略が必要であり、AIが仕事の一部を代替する可能性はあるものの、最適化のためにはマーケティング能力が依然として必要であるとの声も。
Googleが定めたサードパーティCookie廃止のデッドライン。来年末になれば、マーケターたちはそれと向き合うことになる(とされている)。にもかかわらず、12月初旬にニューオーリンズで開催されたDIGIDAY Programmatic Marketing Summitの出席者たちの頭は、ポストCookie戦略の準備でいっぱいになっているというわけでもなかった。
チャタムハウスルール(非公開かつ匿名)の下で開かれたタウンホールディスカッションでは、参加者たちはざっくばらんに語り合い、Googleが何の説明もなくトラフィックを無効化しているとされる問題や、AIを活用した単純作業の合理化の推進など、さまざまなことが議論された。
議論に先立って、参加者たちは職場でいま直面しているチャレンジ(課題)の共有を求められ、それをベースにして、グループ内の議論を盛り上げるためのDIGIDAY流「チャレンジボード」が作成された。以下の太字の見出しは、出席者たちが共有してくれた課題の一部で、それに続く引用は、そこから生まれた議論のハイライトだ。
なお、以下の引用には、論旨を明確にするために、若干の編集が加えられている。
DSPからのトラフィックを無効とみなすGoogle
「何が起きているのかよくわからないが、われわれのアドサーバーはインプレッションの20、30、40%を、クリックにいたっては90%を無効として戻してくる。それはなぜなのか? いくつかの説が考えられる。通常なら、Googleがどこかのポイントでメディアに接触し、入ってくるさまざまなメディアを検証する。しかし、どこかのポイントで接触しない場合に、無効が発生している。これがひとつ。そうなったときに困るのは、何が有効で、何がそうでないのかがわからないことだ」。
「この現象は、Googleがそのメディアに接触できるさまざまなポイントで発生している。サプライサイドであれ、デマンドサイドであれ、エクスチェンジそのものであれ。われわれには、そこまでのレベルの粒度はない。Googleがそのメディアに接触するかどうかを左右するのは、これらのバイアスだ。先ほども述べたように、これはわれわれの推測にすぎない。われわれにできるのは、Googleが接触するメディアを増やして入ってくるメディア費を増やしたいがために、利己的な目的でこうしているのではないかという推測だけだ」。
「われわれの場合、これが起きているのは、ほとんどは無効なクリックだ。これが最大の問題かもしれない。インプレッションでも起きるが、DSPのCTRはよくても、DCMレポートを見ると、CTRは非常に悪い」(基本的には、DSPのリポートでCTRは良好となっていても、アドサーバーのリポートではそうなっているとはかぎらない)。
「基本的には、対抗策としてかなりのボリュームのブロックリストを作成し、われわれにその理由はわからないが、何らかの理由でDCMが嫌っているらしいサイトを見つけているだけだ。一見すると何も問題はないようだが、これらのサイトでは、トラフィックは有効でも、クリックは有効にはならない。そのため、大規模なブロックリストを作成して、状態の改善を試みてきた。それでも、DSPの最適化は難しい。ダブルクリック(DoubleClick)をソースに使っているため、DSPのリポートを信頼するのも難しい」。
この問題をGoogle、あるいはDSPに突きつけたことはあるのかと尋ねると、その参加者はこう答えた。「Googleに聞いてみたが、要領を得なかった。正直、DSPの答えも大差はなかった。双方が責任のなすりつけ合いをしている」。
「オープンエクスチェンジでの取引がほとんどだったため、(無効化によってブロックリストに入れた)各サイトには接触していない。これに対抗するために、PMPへの部分的な切り替えを実施した」。
Cookieなき環境におけるアトリビューション
「B2Bでは、われわれが企業規模やアカウントベースのマーケティングといったことについて語るとき、IP(アドレス)や、必ずしもCookieを必要としない、それに依存しないソリューションを基礎として、決定論的モデルと確率論的モデルをどちらも含んだユーザーグラフが構築されている。(中略)われわれは(何年も前から)、こうしたソリューションをCookieベースのアプローチと対比して使用してきた」。
DIGIDAYが「2~3年先の話ではなく、IPアドレスが使えなくなることは気がかりではないのか? カリフォルニアでは、IPアドレスは個人情報として扱われている」と尋ねると、参加者らは以下のような回答をした。
「気がかりだが、いまのところは、そうではない。むしろ独占のほうがいい。もしそうなら(代替拡張子は)ひとつだけだ。それを奪い去ったのはGoogleなのだから、Googleがそうすべきだと思う。Googleはわれわれにボールを投げ返すべきだ」。
「次に来る大きな波は、IPブリッジングだと思う。多くの企業がいま、自社のグラフをクリーンルームなどの共有スペースに投入している。ファーストパーティユーザーのセットを取り出して、パートナーを選ぶ。私は勧めないが、パートナーは複数の場合もある。それから、これらのIDを『ブリッジ』する。そうすれば、ひとつのプロバイダーを介するよりも、より多くのマーケットプレイスを効果的に利用できるようになる。(中略)これは、基本的にはアクティベーションを目的としないクリーンルームだ。その目的は、より多くのIDを自分のIDと結びつけることにほかならない」。[続きを読む]
The post Googleは DSP からのトラフィックを無効とみなしている?:DIGIDAY Programmatic Marketing Summit レポート appeared first on DIGIDAY[日本版].
Source: New feed
